気になる人

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新社会人1年目。憧れの高校教師になりました。
そして、職場に気になる人が出来ました。7つ年上の第一印象はクールで真面目な上司って感じの人。
何度もその人を目で追いかけてしまい、これは恋なのかな…?と思いましたが、まだ疑心暗鬼になっていました。
ある日、その人のデスクの隣でパソコンワークをしていた時のこと。
「どう?仕事には慣れた?」と優しい口調で話しかけてくれたその人。
「お陰様で随分慣れました。最近はオンライン授業もやらせてもらえたし、良い経験ばかりです」

「授業準備大変そうだったもんね。じゃあ労いも兼ねて、俺ん家の食事会に招待しよう!」

食事会は、その週の日曜日に開催される事になりました。
私の他に、同じくオンライン授業を終えた同期2名がその人の家に招待され、その人の手作り料理で幸せを噛み締めました。食べ終わったあとはテレビゲームで対戦して、お互い笑い合って、気づけばその日は終わっていました。

その食事会のおかげで、それ以降、その人と話す機会はグンと上がりました。最初はぎこちなく話していた私もすっかり打ち解け、冗談を言って笑い合える中になりました。

幸せも絶頂に近い、そんな時でした。

それは梅雨入り前のこと。
突然、その人の長期出張が決まりました。
コロナの影響などあり、いつ戻ってこれるか分からない出張でした。

必ず帰ってくるといっても、私にとってはとても辛い出来事でした。涙が出そうでした。

その人が旅立つまでの間、仕事の合間にお話したり、ちょっかいをかけに行ったりして、沢山話す機会を作りました。常に笑顔を意識しました。

でもあっという間にその時は来てしまい、ついに明日旅立ちの時に。
私は何故か「行ってらっしゃい」がどうしても言えず、勇気を出せないまま、声をかけられないまま、退勤してしまいました。

帰り道、事情を知っている友人が私に言いました。
「○○さんにちゃんと行ってらっしゃい言った?好きなんでしょ?○○さんのこと」

友人に言われてハッとしました。
最近感じるこの気持ちは、あの人に対する恋心だったんだ、と。
友人に指摘されて、ようやく私は○○さんのことが好きだと分かりました。

「LINEでちゃんと言ってあげな。せっかく仲良く慣れたんだから勿体ないよ!」

「わ、わかった!がんばる!」

そして帰宅後、直ぐにLINEでメッセージを送りました。
「○○さん!長い出張へ出てしまうのは正直めっちゃ寂しいんですけど、○○さんが帰ってきた時、今よりもっと成長した自分を見せられるように頑張ります!行ってらっしゃい!」


10分後くらいに返信が来ました。


「ウケる(笑)」



え、コレだけ…?
これで終わり?

そう思ったら、涙が出てきました。
どんな感情の涙か分かりません。でも分かることは幸せの涙ではないことでした。

この一文で連絡が途絶えた、そう思った時でした。

ピコンッ

「がんばるわ?」


彼なりに色々考えていたのでしょうか。15分後に「がんばるわ」と一言が。

溢れ出た涙も、この文を見た時、心があたたかくなりました。また、幸せの感情が込み上げてきました。たった一言だったけど、とても嬉しかったです。

彼はまだ出張先から帰ってきませんが、夏の間には必ず帰ってくるとの事でした。
また笑って話せるように、今も自分磨きに専念中です。

written by らーじひる

エピソード投稿者

らーじひる

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