高校生からの恋愛 〜忘れられない人〜

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私と梶くんとの出会いは友達の紹介。
当時のメル友から「誰か紹介するから女の子紹介してよー!」と、よくあるメル友交換で知り合った。私は高校1年生、梶くんは2年生。結構やんちゃな人でよく目立っていた。オールバックにカチューシャがチャームポイント。そこら辺のヤンキーで目つきは怖いがすぐ人に話しかけるよーな、人懐っこい子。俗に言うチャラ男なのか、よくない噂は耳に入っていた。メールのやり取りくらいなら…と、関わることに抵抗はなかった私は暇つぶしくらいで連絡を取っていた。内面は怖い人でもなさそうだし、見た目は好みだったので彼氏になったらどーなのかなーっとなんとなく考えるようになった。

それから発展もなく、私は別の3年生の先輩と連絡を取り始め、高校生で先輩の彼氏ほしさに興味もあり、告白された先輩とお付き合いをすることにした。朝モーニングコールをしたり、夏休みの部活前に先輩の家に遊びにいったり、とくに外に遊びに出ることもなく、過ごしていくうちに先輩の元カノの顔がチラつく…先輩のアドレスは名前が入ったままだし、私との関係も周りに秘密にしてるなー、あと束縛も多かった。

初めてのお外デートで夏祭りにいった。先輩は手を繋いでくれないし何となく隣にすら並んで歩けてないような、ついて回るだけだった。高校生の恋愛ってこんなもんなのか、なんて思っていた。
ちょうど祭りで梶くんの顔も発見して、「あ、やっぱりカッコいいな、梶くんを好きになればよかったのかな」なんて思っていた。1ヶ月記念日、0時13分に先輩から電話がある。「記念日おめでとう!俺毎回記念日の日付に合わせてお祝いの電話するんよ!」…毎回?はぁ。普通の人なら喜ぶのかな?そんなことも思っていた。過ごしているうちに私がフラれることになった。初めてフラれる経験をした私はショックで落ち込んだ。理由もわからなかった。聞く勇気もなかった。言われたこと守ってたのになぁ…。案の定、別れてすぐに元カノらしき人から『先輩と付き合ってんの!?』と、いきなり話しかけられた。が、この一言で未練もなくなった。『付き合ってないです。』揉め事は嫌いだ。

それから寂しい気持ちもあり、なんとなくまた梶くんと連絡を取り始めた。フラれたことも話して慰めてもらっているうちにこの人って見かけによらず優しい人だなーと、それから1ヶ月ほどですぐに告白されて付き合うことに。もう一回人を信じても、この人なら本気で好きになっても、いいかなと思っていた。ちょうど2年生は修学旅行もありお土産にペアのネックレスを買ってきてくれた。嬉しかった。梶くんはよく喋ってくれる。部活帰りの私の顔を見つけて、外で『好きだよー!』と大きな声で人がいるのに恥ずかしげもなく叫んでくれたり、私と性格が真逆なせいか自由奔放に生活をしている梶くんと一緒にいるだけで何もかも新鮮だった。気が楽ですごく楽しかった。

だが、そんな真逆の性格のせいか、周りからは見た感じが釣り合わないと心配な声はよく聞いていた。そんな時、いきなり『好きな人が出来たから別れよう』と梶くんから。「はい」としか言えなかった。またフラれた…また失った…ショックでした。けど前の恋愛とは違う。好きな人がいなくなったという確信がすごく大きくてショックで3日ほど家で寝込んだ。何もしたくない食べたくない…親にも心配され、薬でもしたんじゃないんか!なんて言われ…。
月曜日、学校は休めないので登校すると、梶くんは新しい彼女と一緒にいた。謎だった。今まで付き合ってたのになんで?好きではなかったの?ハテナがいっぱいだった。でも梶くんはすぐに彼女と別れていた。私は諦めきれずたくさん考えた。何がそんなに魅力的な女性だったのか、私に何が足りなかったのか、やっぱり釣り合わなかったのか。

数ヶ月してまた梶くんに連絡をした。梶くんは前の彼女の束縛で女の人のメアドを全て消していた。『誰?』からのスタートだった。彼の性格を知っている私からすれば、従うなんて変だな…こんなこと嫌なはずなのに、ここまでして付き合いたかった相手なのか?とまた悲しく落ち込んだ。でも私は諦めきれないので、連絡を取り続けた。梶くんは『単位が取れないから先生に頼んでー』とか『窃チャ見つかって謹慎になったー』とか相変わらず悪いことしかしてない。退学ギリギリ…『タバコもやめるわ…』『タバコやめれたら付き合ってくれる?』そんな言葉を言われた。私は思ってもないチャンスだった。梶くんはまだ少しでも私を想ってくれているのかと思った。たぶん梶くんはそこまでの考えはなかっただろうけど、1ヶ月後禁煙ができたのでまた復縁することになった。また付き合うことに対してみんなに「大丈夫?」と言われていたが、どうしても諦めきれなかったので最後にしようと決意した。ずっと連絡できる存在になれるだけですごく嬉しかった。それから私は部活、梶くんはアルバイトをしていたので一緒に帰ることは難しかったけど、バレンタインにはチョコを渡したり、ホワイトデーには身に付けているブレスレットをもったり、学校終わりの遊べる日には公園で散歩したり以前と同じ付き合いが出来ていた。

が、今度は普通にフラれた。『本当にごめん。』理由は、交際中に話を聞いていたのでなんとなくわかった。私と初めて付き合った時から何股かかけるくらい遊んでいたこと。私もその中の1人であったこと。そして告白すればすぐ付き合えるという彼のモテ期にあじをしめ、告白しまくっていた時、ある人からは初めてフラれ悔しかったのが前の彼女。その彼女に復讐するため、また付き合って自分からフル!というのが彼の気持ちだった。それと、梶くんも『さやかと付き合うなら大事にしなさい。幸せにしてあげなさい。』と周りから散々言われてきたようで、付き合いが面倒になったようだった。そして私は素直に受け止めた。でも両思い同士で別れたのかな?と思うと少し気が楽だった。

その後梶くんは前の彼女と戻して、すぐに別れていた。それから月日が経ち梶くんのことを忘れようにも忘れれず私は二年生、彼は3年、卒業の年。このままでは嫌だな、後悔するな…そんな気持ちだった。3年にもなると彼は落ち着いてきていた。私も他の友達とグループで遊んだり気を紛らわせた。梶くんは相変わらずアルバイトばかりしているようだった。たぶん新しい彼女もいただろう。

ある日私は怖い思いをした。部活が終わりいつものように電車で帰っていた。無人駅なので友達と別れた後は1人だった。「ばいばーい」と自転車に乗ろうした時後ろから知らない人に捕まれて近くのトイレに引きずり込まれそうになった。その時大きな声が出せたので知らない男は走って逃げたがその後怖くて怖くて仕方なかった。仲のいい先生に連絡をした。親には言えなかった。友達も心配してくれた。あと気持ちを打ち明けれるのは梶くんだった。それからまた連絡を取り始めるようになった。

連絡していくうちに遊ぶ約束をし、何回か遊ぶようになった。お互い付き合わない関係。たぶんまた付き合えば周りから心配されるし、それがしんどくなるし、とりあえず時間が合えばカラオケやご飯を食べたり初詣でしたりした。初詣の帰り、雨に打たれ、ビショビショになった体を梶くんはタオルで拭いてくれた。友達なのに、優しいな。まだ好きでいてくれているのかなぁ…。

梶くんの卒業が近づき、私は梶くんに3つのお願いをした。①彼はお菓子が好きだったので手作りのチーズケーキを渡す。(もらって欲しい)②思い出作りにプレゼント交換。③最後にお互いの連絡先を消す。
最後の会える日に全部してもらった。『さやかには迷惑かけたから』そう言われて了承した。たぶんもっと大人になって会うべき人なんだなと思い込んだ。忘れることは出来ないけど思い出として残した。本当に辛かった。でももう考えなくていいんだと少し前を向ける気がした。梶くんのためにもずっと想っとくのはやめよう離れよう。そう思って別れた。

それから梶くんは卒業して県外の広島へ就職した。私は新しい恋愛を始めることにした。今度は自分から想うより想われる付き合いをしてみた。それなりに楽しかった。グループ交際のようで、友達も増え、学校が違ったのもあり誰に何も言われなかった。私の卒業後は、県外の学校に。特別選んだわけではなかったが追うように広島の学校を選んでしまった。当時の彼氏とは遠距離になりうまく付き合えず別れた。それでも1番長く続いた人だった。それからいろんな人に出会った。付き合って3日で別れたり、バイト先の上司から告白されたり、男女みんなで集まって遊んだり…たくさんいろんな経験をした。学校も卒業し、働き始め、社会に出ることで少し大人になった。仕事に明け暮れる日々が始まった。次、付き合う人が最後かなぁ、うまくいかないなぁ、梶くん何しているのかなぁ、なんて思い出し始めた。

とあるSNSを見ていると梶くんのアカウントを発見した。びっくり。勇気を振り絞って連絡をするまで数日…ちょっと友達にも相談してみたが、やめといたら?と…でしょうね。(笑)
「覚えていますか?」『さやか?』梶くんは覚えてくれていた。それから連絡を取り始め、梶くんは静岡県に住んでいた。広島に来ていたのにどうしたのか尋ねると、ちょうど私が広島にきた頃に引っ越しをしたようだった。連絡を重ね、大型連休を使って会いにきてくれた。久しぶりの再会、約4年ぶり、彼はガラッと雰囲気も変わり大人になり、穏やかになっていた。その日からまた交際が始まった。とはいっても遠距離恋愛からのスタート。会えて年に2、3回、不安だらけ。たくさん辛い思いをしたが、その分の幸せも知った。それなりに楽しかった。3年ほど付き合って私は寿退社した。そしてすぐ結婚式を行い、初めて付き合った時にもらったペアのネックレスを結婚式でウェルカムスペースとして飾ることができた。

今では2人の子供を育てている4人家族です。育児に家事にしっかりこなしてくれる立派なパパになりました。あの時、私が彼に対して思った、優しい人だなという気持ちはホンモノでした。梶くんは今でもたくさん好きを言ってくれて毎日優しいです。いっぱい別れて遠回りしたけどあの時があったからこそ、社会人になってからの遠距離もやってこれたし、今があるんだなと思います。
誰が思っても誰が読んでもいい恋愛の仕方ではなかったし、最高で最低な相手でしたが、他の人と付き合ってきた中で1番私らしく、1番なりたい自分でいれたのは梶くんといた時でした。1番気持ちが穏やかでいれます。梶くんの当時の事情を掘り起こせば悪いことも出てきますが、面白かったなと思う恋愛でした。結婚してからも高校生の時の気持ちでいられるよう生活していきたいです。

written by さーや

エピソード投稿者

さーや

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