登場人物
・H(私)
・N先生(好きな先生)
・Mちゃん(友達)
出会いは中学1年生の冬でした。
N先生は私が通っていた塾の講師でした。
当時は先生が社会人だというのを信じており、アルバイトの大学生だったことは後から知りました。
前の理科の先生が面白い人で、N先生に変わった時、最初は少し残念でした。
ですが、私は理数が好きだったので、授業が終わったあと話しかけたり、時々学校の話も聞いてもらって、段々と仲良くなっていきました。
私の行っていた塾は駐輪場がありましたが、暗くて細い道だったので夜は先生たちが交代で見張りをしていました。
授業終わり、N先生が駐輪場当番だった時にはいつも駐輪場で喋っていました。
私が自分の恋心に気が付いたのは中学2年生の時でした。
ある日、塾終わりにMちゃんに話しかけられて、好きな教科の話をしていました。
私が「理数が好きだったけど、最近は理科がすごく楽しい」と言うと、Mちゃんに「Hちゃんって本当にN先生と仲良いよね。好きなんじゃないのー?笑」と言われました。
気が付くとすぐN先生を目で追っていたり、理科の成績だけは下がらないように必死に勉強したり、その勉強すら楽しかったり…
今思えば恋でしかないのですが、当時の私はMちゃんと喋るまで気付きませんでした。
それに加え、その時N先生に20代後半だよと言われ、そのまま信じていたので自分の2倍の年齢の人を恋愛対象として見るわけがないと思い込んでいたのだと思います。
ですが、Mちゃんに指摘されたことで、「あぁ、私先生が好きだったのか…」とすんなり受け入れることが出来ました。
自分の気持ちに気付いてからはバレンタインでチョコを渡したり、誕生日プレゼントを渡したり、修学旅行のお土産で先生だけ違うものを渡したり、今まで以上に必死に勉強して先生の印象に残るように頑張ったり…
猛アピールしました。
先生にも気持ちはバレていたと思います。
ですがある日、Mちゃんが「N先生が彼女とショッピングモールに居たのを見た」と言っているのを聞き…
その後男子たちがN先生をからかっていましたが、N先生は否定することなく、彼女持ちで、彼女のことが好きなんだろうな、と思い知らされました。
それでも簡単に諦めることは出来ず、告白こそしないものの少しずつN先生とは仲良くなっていきました。
ですが、そんな日々もあっという間で、中学3年生になり、受験をし、塾を辞める日がきました。
N先生にLINEを聞こう、聞こうと思っていましたが、結局聞けず、そこから2年間、N先生とは一度も話すことはありませんでした。
高校2年生になって、いきなりN先生から友達づてで連絡がありました。
その時、私はもうN先生のことを毎日思い出して泣くような日々は過ぎてそれなりに楽しく過ごしていましたが、好きな人はいませんでした。
2年間で3回ほど告白もされましたが、その度にN先生を思い出して、断って家に帰った後は泣いていました。
N先生に連絡をもらったあと、バレンタインにチョコレートを渡しましたが、今まで通りお返しはなく…
今、N先生とはたまに連絡を取り合ったり一緒にゲームをしたりするお友達になりました。
私もN先生も大阪に住んでいたのですが、N先生の就職先が東京でもう会えない、ずっとゲーム仲間になるんだと思っていました。
ですが、「卒業したら東京に遊びにおいで」と言われ、深い意味はないんだと思いますが、卒業後に向けて、私は今とても幸せな日々を送っています。
written by なの
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