高3のときクラスメイトだった彼は、バスケ部のエースでとても頼りになってでも少し天然で、そして、高2の夏から他のクラスの私の親友と付き合っていました。2人はとても仲が良く、惚気話や、喧嘩した時には愚痴までお互いからよく聞かされます。私は元々彼に片思いしていたのですが、大切な親友を裏切ってまで彼と付き合いたいとは思わない、と恋心に蓋をしていました。そのかわり、2人に1番近いこのポジションだけは誰にも譲ってやるもんか、と半分ヤケになりながら高校生活を過ごしていたんです。
しかし高3の一学期、HRで文化祭のクラス展の話し合いをしているとき。担任からは難色を示されていたものの、どうしても実行したい企画があり、代表して2人が職員室に頼みに行くことになりました。すると彼が「俺行く」と。そして「もう1人はこいつ」と私を指名したんです。彼はクラスメイトから信頼されていましたし、私と彼が、親友を含めて3人でとても仲がいい事は周知の事実だったため、クラスメイトは迷いなく賛成してくれました。
職員室に向かう途中、なんでわざわざ私を指名したのか、他にも仲良い男子いるじゃん、と聞いてみると、「お前は精神安定剤だから」と。いや、いやいやいや精神安定剤って。仮にも彼女がいる男が違う女に吐く言葉じゃないでしょ、と。何それ、と頭をはたきながらも内心ではドキドキが止まりませんでした。天然人たらしめ。2人に1番近いポジションは譲らん、と思っていたけれど、その代償(?)がこれか、と嬉しさと親友への罪悪感で頭がいっぱいになった出来事でした。
大学生になった今、彼らはまだまだ幸せオーラ全開で付き合っており、私の恋心は蓋をしたままです。たまに惚気に当てられたり彼の天然タラシ発言にやられたりするときもありますが、私は2人が大好きです。彼らの幸せが続きますように、そして私にも新たな出会いがありますように!!
written by 藍
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