あの頃を忘れない

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とあるバンドにハマっていた時のお話です。

仲の良い友達に「一緒に行かない?」と誘われ、興味があった私は、友達と一緒にライブハウスに向かいました。

開演時間になり、カーテンが開くとそこには5人のメタル系の人達がステージに立っていました。

ライブが始まり、私は一人の男性のギターを弾いている指裁きに一瞬で心を奪われていきました。

終演後、全員と握手をできるとのことで手汗を拭き列に並びました。
やっと自分の番が来た時、ギターの彼に「お疲れ様でした!かっこよかったです。」と言うと彼は照れたように「…ありがとう。ステージから見えてたよ、また来てね。」と言ってくれたのです。

恥ずかしさのあまり、顔を見れないでいると向こうから私の手を握り握手をしてくれました。


それからの私は、寝ても覚めても彼の事ばかり考える様になりました。

ライブはほぼ全通し、手紙や差し入れも欠かしませんでした。


そしてその時が来てしまったのです。

通い始めて半年が経った頃の事です。
いつも通りライブに通っていた私は、ボーカルさんの言葉に耳を疑いました。
「今日はみんな来てくれてありがとう。俺たちはこの半年をもって解散します。」
解散と言う2文字が重くのしかかってきて、私はその場で泣き崩れました。

終演後、これが最後だと思いギターの彼が出てくるのをひたすら待ち続けました。

すると、後ろから声をかけられたのです。
ギターの彼が私に手紙を渡してくれました。

自宅に帰り手紙を読んでみるとそこに書かれていたのは…、「いつも見に来てくれてありがとう。差し入れや手紙も本当に嬉しかった。解散してしまったけど、またいつか何処かで会える日を楽しみにしています。 ps.君の素敵な笑顔に癒されていました。」

私は手紙を持つ手が震え泣きじゃくっていました。

後悔した事は、せめて最後に好きと言いたかった。

私の想いは届かなかったけど、私の笑顔は彼の目に焼きついている事でしょう。

written by はるたくるみ

エピソード投稿者

はるたくるみ

秘密 投稿エピ 2

実体験や恋愛のお話を書いていきたいと思います(*´∀`*)