2002年秋
あの時の彼と共通の友人が結婚することになり
2年ぶりに彼に会った。
変わらない柔らかな笑顔
ロビーで顔を合わせて
元気?
と声をかける
着物姿の私をみて
可愛い よく似合ってる
いつもの優しい言葉
元気だった?
うん 元気だった。
会話がなかなか続かず
俯いてしまう。
会場が空き
招待客がゾロゾロと大広間へ移動
彼はそれじゃと
私に背を向けようとしたから
あの、あのね。
自分でもびっくりするくらい
大きな声が出てしまった。
彼は無言の笑顔で見つめ返してくれる。
私…
私…春に結婚しました。
彼は、一瞬
目を大きく見開き
でもすぐにいつもの笑顔になり
おめでとう
と言って私に背を向け
歩き出した。
大好きだった彼の背中
この結婚式に来たら
貴方会えるの知っていてきました。
私 結婚したの。
幸せです。
幸せです。
でも、時々恋しくなる。
貴方の声と優しい笑顔。
あんな風に、泣いても笑っても
どこまでも深い愛で
包んでくれる人は
貴方だけだったんだと
主人と暮らしながら
夕暮れ時に想ってしまうのです。
もう交わることのない
レールに私たちは進み出してしまったのかな。
わかっている
そんなことわかっている。
それでも、会いたかった。
綺麗になったねって言われたかった。
貴方に、
written by Sky
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