-20年愛- 2001年春 彼の目線

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取引先の会社で働く
3歳年下の彼女

泣き虫で
甘えん坊で
負けず嫌いで
彼女の会社での彼女の評判は
賛否両論だったけれど
僕は彼女の心の根っこの純粋な部分を
とてもわかっていた。
僕さえしっかりしていれば
僕が彼女を支えていれば
他の誰も、彼女を理解できなくていいと
傲慢に思っていたんだ。

瞳が大きく
スッと高い鼻
小さな顔に、可愛い笑顔

彼女を狙っている男たちは
何人もいた。
彼女を独り占めしたかった。
それと同時に
周りの人間に
僕たちの関係を公表するのも怖かった。
取引先の女性には手は出さないと
公言していたのに
コロリと彼女に心奪われて
彼女に夢中になっている自分を
周りにさらしてしまうのが
恥ずかしかった。

若かった。
彼女を独占したいと思う反面
仕事がとにかく楽しく、やりがいのある時期だった。
いつか彼女と結婚しようと思っていたから
今はとにかく働いて、生活の基盤を作ることが先決と思ってたいた。社会人になって6年目。
言い訳にしかならないが
男の社会には、男の変なプライドやメンツがある

彼女に
結婚したいと言われた時

今じゃない。

と答えたのは、
未来に向けた言葉のつもりで
勿論、彼女も僕の気持ちは十分に理解してくれてると勝手に思い込んでいた。

だから

価値観が違う

と別れを言われた時には
頭が真白になった

価値観の違い

人は皆、価値観が違うものではないのか?
違うからこそ
それを埋めあって、寄り添って
生きていくものじゃないのか?
価値観の違い
その言葉は、それからの僕の人生の中で
自分自身にのしかかるトラウマになった。

written by Sky

エピソード投稿者

Sky

秘密 投稿エピ 15