彼からの好意は感じるものの
あの週末に
二人で食事をしただけで
これといった進展はない日々
何事もなかったように
また社内で時々見かけ
時々世間話をし
あれだけ人気のある営業マンだもの
きっと誰に対しても
あんな風にお酒を飲んだりしてるんだよ。と
特別な感情をなるべく自分の中で
開花させないように過ごす。
好きじゃない。
大丈夫、好きじゃない。
会社の外で偶然に彼と会ってしまった日
彼が、笑顔で
大きく手を振って駆け寄ってきてくれました。
この間は食事一緒に行ってくれてありがとう。
凄く楽しかった。
ひとつ聞いてもいいかな。
付き合ってる人はいる?
驚きと嬉しさと。
その彼からの言葉で
首を振り
よかった。と安堵の表情を浮かべる彼の笑顔を見ているだけで、飛び上がりたいくらい嬉しくて。
それから、時々彼と会うようになりました。
いわゆる
付き合ってる。という関係だったんだと
思うのですが
頑なに彼は、私との関係を隠しました。
取引先の女の子に
手を出したとか思われたくないんだ。
という彼の言葉。
誰もが認める営業マンで
仕事が好きで、真っ直ぐに生きる彼は、
周りからの目と
だけど私との関係のアンバランスさに
とても悩んでいる様子でした。
でも
私自身、私達の関係を
周りに知って欲しいと思っていたわけではなく、彼が隠したいのならそれでもいいと思っていました。
彼はいつも優しくて、穏やかで
オープンにできない関係でごめんね。と
そのかわりに、と
いつも、個室のある美味しいお店を予約してくれ
二人でゆっくりお酒を呑みました。
普段は彼の住む家で二人で過ごし
元々、私も彼も出張の多い仕事だったので、仕事以外の時間は、彼の家で二人で過ごす事が
日課になっていきました。
優秀な営業マンのカレーとは対照的で
私は本当に仕事ができなくて
いつも上司に怒られてばかり。
怒られている最中に
彼が私の会社に営業で来た日の夜は
恥ずかしさと悔しさで彼の家で
わんわんと子供のように泣き
彼は、黙って頭を撫でながら
慰めてくれました。
本当に大好きで
大好きで
彼のお嫁さんになりたかった。
written by Sky
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