-20年愛- 1999年春

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1999年4月
はじめて彼に出会った春。
転職したばかりの会社で
右も左も分からず、戸惑いの日々を
送っていた時
取引先の会社の営業マンだった彼

ある日突然
新人さん?と声をかけてもらったのが
最初の会話でした。

優しい眼差しと
明るい笑顔
しっかりとした話し方が印象に残る男性でした。
素敵な人だと感じていたのは
私だけでなく
月日が過ぎる中で
会社の幾人かの女性社員が
彼に惹かれている事に気付くのに
そう時間はかかりませんでした。

素敵だと感じていたけれど
それよりも日々の仕事を覚える事が忙しく
まして、そこまで競争率の高い彼に
チャレンジするほどの自信も勇気もなく、
ただただ、時々社内で見かける彼を
遠くに感じるだけの存在でした。

ある週末
部署でひとりだけ週末出勤
かかってきた電話の相手は
彼でした。

あれ?今日出勤日?
何時まで仕事?
仕事終わったら、ご飯でもどう?

あまりにも軽快に
くったくもなくスマートに誘ってくれるから、嫌とも言える雰囲気でもなく
嫌と感じる自分はどこにもおらず
待ち合わせ場所と時間を電話口で決めました。

行きつけなんだよ。と
教えてくれた小料理屋さん
お酒も、お料理もどれも凄く丁寧に
作られたものばかりで
お酒が強いのか、
彼は美味しそうに日本酒を
顔色変えずに、呑んでいました。

仕事のこと
会社の先輩のこと
お酒の話
年は私よりも3歳年上
偶然にも、同じ専門学校を卒業していたことで、意気投合。

専門学校時代の校舎や先生の話で盛り上がり、
始めて、お酒を呑んだ相手とは思えず
目の前で嬉しそうに笑う顔をみて
この人が好きだと感じている自分がいました。

written by Sky

エピソード投稿者

Sky

秘密 投稿エピ 15