人生を変えた人

人生を変えた人

中学3年生のとき別のクラスに好きな人（大和くん）がいました。その人は明るくて面白くてとても素敵な人でした。でも、ほとんど喋ったことがありませんでした。
願書の提出が近づいた日でした。私は親や先生と話し合った結果二つの学校まで絞りました。一つは受かる確率50%のa高校、もう一つは70%のb高校で迷っていました。受かる確率は高い方がいいけれど、校風はa高校の方が合っていると思ったのでa高校に願書を提出しました。
数日後、大和くんがb高校に願書を出したことを知りました。その頃はまだ、ギリギリ願書を出す高校を変えることができる期間でした。私の気持ちは揺らいでしまいした。「大地くんと同じ学校に行きたい。でも、校風はa高校の方がいいし…」私は母にそのことを相談しました。すると母はこう言いました。「本当は、b高校を受けてほしいと思ってたの。はじめての受験で落ちて欲しくない。出来るだけ受かる確率が高い高校に行ってほしいと思ってた。でも、あなたの選択を邪魔したくないから言わなかったの。」と言われました。それに後押しされ最終的に私はb高校に願書を出しました。後悔はありませんでした。
そして、合格発表当日。私は無事受かりました。しかし、彼は受かることができませんでした。受かったのにまるで自分のことのように思えてとてもかなしくなりました。
私は受験での点数を学校へ聞きに行きました。そして、先生が見せてくださったプリントにはわたしの予想を遥かに下回る点数が書いてありました。もし、あのとき彼を追いかけていなくて、母の思いを知らずa高校を選んでいたら私は落ちていました。そう思うとゾッとしました。
それから彼とは一度も話すことなく時間は過ぎて行きました。今思うと彼は私の人生を大きく変えた人です。私はこの学校でとても楽しく過ごしています。友達によると彼も別の学校で楽しく過ごしているそうです。今でも、もし好きになっていなかったらどうなっていたんだろうと思うことがあります。

written by ももた