隠れた優しさ

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私たちは付き合って1年ちょっと。学校帰りにはバス停まで手を繋いで帰るのが当たり前になっていました。いつも彼から手を繋いでくれるのが嬉しくて、毎日のちょっとした楽しみになっていました。でも最近、手を繋いでくれないことが多くなりました。1年も付き合ってるから、もう慣れてきちゃったのかなと、少し寂しい気持ちでいました。
ある冬の日、その日も手を繋ぐことはなく帰っていました。彼の手はずっとポッケに入ったまま。「今日もか...」と少し落ち込んだものの 一緒に帰れるだけでも幸せなんだ!と自分に言い聞かせ、そのまま帰っていました。
もうすぐで私が乗るバス停に着く頃、「ん」と彼が手を繋ごうと、手を差し出してきました。「あとちょっとでバス停なのになんで今...」と思いながらも手を繋ぎました。すると彼が急に「あー、やっぱり俺の手まだ全っ然冷たいよな、くっそー!」と悔しそうに両手で私の手を包んできました。彼は今まで、慣れてきたから手を繋がなくなったのではなく、冬は寒いから少しでも自分の手をポッケに入れて暖かくしてから手を繋ごうとしてくれていたのです。彼の優しさがとっても嬉しくて更に好きになりました!

written by みやび

エピソード投稿者

みやび

女性 投稿エピ 2