私が高校3年生の頃でした。
商業学校に入った私は男の子と話す事があまり得意ではなかったので、クラスの男の子と話す事があまり無かったです。
ですがある商業の授業で、2クラス合同になりいくつかのグループに別れて授業を受ける事になりました。
そのグループでは仲の良い女の子が集まりホッと一安心しているなか、同じクラスの男の子2人がいました。
1人とは1年生の頃に同じクラスだったので認識があったものの、もう1人とは話す事が初めてになる人でした。
髪の毛が少しだけ茶色の天パでふわふわしてして、瞳の色も綺麗な茶色で、私より少しだけ背の高い彼。
最初の授業で自己紹介をしていると、話した事が無かった彼は、私が当時ハマっていたアーティストの曲をよく聴くと話していて、なかなかそのアーティストにハマっている友達が居なかった私は彼の事が凄く気になりました。
彼と話してみると好きなアーティストの話で意気投合し、それからというものその授業が楽しくて仕方がありませんでした。
私が彼と話す様になってから同じグループのみんなもお互いに打ち解け、男女関係なく楽しい授業を過ごす事が出来ました。
私は、いつの間にか彼に心を打ち解けアーティスト以外の色んなお話も出来るようになっていました。
私はある日、髪をショートにしイメチェンをして学校に行き、彼と同じグループでの授業を受けていました。
すると、自分の課題が終わった彼が私の隣に来て
「髪切ったんだね、似合ってる」と言ってくれました。凄く嬉しくて喜んでいると、私の友達がきて私と彼の間に入ってきました。
私の心の中に謎のモヤモヤが募ったままその授業が終わり、次の別の授業を受けていました。
別の授業ではパソコンを使うもので、みんなが課題終わった〜とダラけている中、機械音痴の私はひとり課題と向き合っていました。
どうしてもやり方分からなかったので、すでに課題が終わった友達に聞こうと思って周りを見てもみんなお喋り中。
どうしようと思いながら前を向くと、彼が私の前の席の男の子と話していました。
頼れるのは彼しかいない。そう思い、彼に「課題のやり方が分からないから教えて」とお願いすると彼は優しく笑いながら任せてと言い、教えてくれました。
彼のおかげで課題が終わり、友達とお話していると、男の子達の会話が聞こえてきました。
内容は私が彼に話し掛けていたからビックリしたというもので、彼が周りの男の子達に私とどういう関係なのか問い詰められていました。
思わず私は彼がなんて言うのか気になり聞き耳を立てました。
ハッキリとは聞き取れなかっものの小さな声で「元々、俺ショート好きだから、可愛いなって思ってる」と聞こえてきておもわず彼の方を見てしまいました。
すると、少し顔を赤くしていた彼と一瞬目が合いすぐに逸らされてしまいました。
ドキッとした私は彼の事が好きなのかもしれないと思いました。
次の日、今日もあの授業(2クラス合同のもの)がある楽しみだと思っていると、授業前にあの友達(彼との間に入って来た子)から話があると廊下に呼び出されました。
嫌な予感がする。どうしたんだろと思っていると、「私、彼のこと好きなんだ。貴女には知ってて欲しくて。」と言われました。
嫌な予感ほどよく当たる。なんて思いながら私は「そうだったんだ!分かった応援するね!」と返しました。
すると彼女は少し驚いた顔をしながら、「うん。それじゃ」と去っていきました。
私は、自分の『好きかもしれないという曖昧な気持ち』よりも、『彼女との友情』の方が大事だなと思いました。
その日から2クラス合同の授業でも私は彼と何となく距離を置くようにしました。
後日、彼の事が好きと言っていた彼女から「彼と買い物に行くんだ!」という話を聞き、少しだけズキっと心を痛めながらも身を引いてよかったと思いました。
3学期の後半では2クラス合同の授業は無くなり、彼と話す事も無くなりました。
ある日、掃除当番になり用具入れからホウキを取り出し、振り返ると凄く近い距離に彼がいました。
私より少しだけ背の高い彼。
その綺麗な茶色い瞳に吸い込まれ思わず見つめてしまいました。
はっと我に返り何事もなかった振りをして教室に戻りました。
そしてそのまま彼と話すこと無く卒業しました。
卒業後、彼と彼女がどうなかったのかは分かりません。
20歳になった今でも、彼の事が好きだったのかは分かりません。
でも、ただ確かな事は私にとって彼は
『特別な人』でした。
written by mi
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