どんな日も

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私には遠距離恋愛で2年付き合った大好きな彼がいた。
彼と別れてからわたしはもぬけの殻になった。
家で1人でいると思い出しては勝手に涙が溢れてくる日々だった。

そんな時、ずっと昔から憧れていた先輩がわたしのLINEを人から聞いたらしく、連絡をくれた。
「こんにちは!よかったらあのps4のゲーム、一緒にしない?」
ゲーマーのわたしはいい気分転換だからと、その先輩とゲームをすることにした。

初めてゲームをプレイして、先輩とヘッドフォン越しに会話をする。そういえば、こうして会話したことなんてなかったなぁ。

それから毎晩、長い日は明け方まで時間を忘れて一緒にゲームをプレイするようになった。
私たちはますます仲良くなり、わたしは悩んでいた苦しんでいた、彼氏と別れた話をした。

先輩は本当に優しかった。たくさん話を聞いてくれた後、辛かったらどこかに遊びに行こうか、次はゲームの世界じゃなくて現実で会おう、と言ってくれた。
その優しさにわたしはヘッドフォン越しに泣きじゃくってしまった。

それから先輩と現実の世界でも遊ぶようになった。家で遊ぶことも増えた。驚いたことに、わたしの家から先輩のお家まで徒歩3分の近さだった。

数ヶ月経って、先輩に付き合おうと言われた。だけど私は別れた彼のことを忘れきれず、傷つけたくないと断った。それに私の就職する県は東北、彼の就職する県は四国で、距離が離れすぎていたため付き合うことができなかった。

その後2回お付き合いを持ちかけられたが、わたしの意思が変わることはなかった。

それからわたしは誕生日を迎えた。
昔から誕生日ディズニーがしたいという夢があった。
大学1年生の誕生日は病気で、2・3年は付き合ってた彼が乗り気じゃなくて行けなかった。
だから今年こそ、大学4年生最後の思い出にと思ってはいたが、都合の良い友人はいなくて。
今年も行けないのかとかなり落ち込んでたわたしをみた先輩が、
「よかったら俺と行かない?」と。
ディズニーホテルを予約して、ランドとシーに連れて行ってくれた。嬉しかった。幸せだった。
先輩といると見る景色が全部キラキラして見えた。

そんな幸せな時も長くは続かず、3月、お別れの季節。
コロナウイルスの影響で卒業式もなく、私たちは他の友人も誘ってレストランでプチ卒業式をした。

その数日後、四国へ行く先輩を見送りに新幹線ホームにわたしはいた。
こっそり先輩のスーツのポケットに手紙を忍ばせておいたがすぐにバレ、後で見てねと伝えた。

「あなたと出会って悩みの種がふえて、でも幸せな悩み事でした。もっと早く出会ってお付き合いしてみたかった。元彼を忘れきれずに引きずる私を見て、「君がもし恋愛の底無し沼で溺れるなら、一緒に飛び込んで溺れよう」と言ってくれた優しいあなた。どんな場所でも生きていける優しさを持っているあなたなら大丈夫。どうか幸せになってね。わたしの憧れの先輩で、大好きでした。」

ホームでキスをした。泣きながら手を振った。
先輩も新幹線の中で泣いていた。
どんな日も、あなたのことを忘れない。

written by みぎて

エピソード投稿者

みぎて

秘密 投稿エピ 2