雨から始まる恋

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高校2年生で同じクラスになったとある男子との思い出話です。
彼は特進クラスから移行してきた頭の良い人だと聞いていたので、内心私たちを馬鹿にしているのではないか?と初めの頃は少し警戒していました。

しかし自己紹介でいくつか自分と趣味が合うことを知り、彼の席に行って勇気を出して話しかけてみると、とても笑顔で対応してくれたのでホッとしました。

それからはインスタのDMでたまに話すくらいの仲になりました。
学校では男女交流が少なかったこともあり、ほとんど話しませんでした。

この頃は彼に対して恋愛感情はわいておらず、でも少し気になる存在になっていました。

そして月日が流れ修学旅行の時、久々に彼と直接おしゃべりをしていました。
その時に雨が降っていたんですけど、私は傘を忘れてしまっていたのでびしょ濡れになっていました。
彼が「傘は?」と聞いてきて「持ってくるの忘れちゃって…」と言うと、しばらく沈黙が流れ、突然彼が何かを決意したような顔をして自分がさしていた傘を私に黙ってグイッと差し出して来ました。
(となりのトトロの映画のあのシーンみたいな感じで笑)

私は彼の真剣な眼差しに気を取られ「えっ」と言ってそのまま立ち尽くしてしまいました。

その様子を見た他の男子たちが遠くの方で騒ぎ出したので我に返り、彼は「ごめん、勘違いされちゃうもんな」と言って傘を持ったままその男子たちの方に向かって走り去って行きました。

彼がいなくなった途端何が起きたのかを理解してものすごく胸がバクバクしました。
顔も熱かったので多分赤面していたと思います。

そしてその日を境に彼のことを目で追うようになりました。
彼が他の女子と話していると心がモヤモヤするようになり、恋しちゃったんだなと確信しました。

そしてバレンタインデーの日に呼び出してチョコを渡し「好きです」と言い、ホワイトデーの日に2人で初めて遊びに行きました。

その時に彼からお返しで貰ったのがマドレーヌの詰め合わせでした。
意味は「もっと仲良くなりたい」です。

現在高校3年生ですが彼とはまた同じクラスになり、今でも仲のいい友達です。
次遊ぶ時に今度はちゃんと「付き合って下さい」と言うつもりです。
どうか成功しますように…。

written by たかりな

エピソード投稿者

たかりな

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