親友

親友

高校入学2日目、校内見学の時にやたらと目が合う同じクラスの男子がいました。それはそれはすごく目が合うので、教室に戻る途中に「なんかすごく目が合うね（笑）」と私から話しかけました。彼は出会ったばかりなのに昔から知ってるみたいな安心感があり、すぐに仲良くなりました。毎日始業前に話したり、彼の眼鏡を休み時間中にこっそりかけて授業が始まってからキョロキョロして見つかると小声で「こらっ」って怒られる毎日でした。付き合ってる噂が流れるほど仲が良かったです。群れるタイプでも騒がしいタイプでもないのに、なんとなく一目置かれてて人気者だった彼と親友だった私は少しずつ彼に惹かれていきました。が、好きだと気付いてから話すのが恥ずかしくなってしまい、少し距離ができてしまいまった頃、彼は他の女の子ととても仲が良く、見ているのが辛い毎日でした。そうこうしてるうちにバレンタインがやってきて私は意を決して告白しました。結果は振られ、彼は隣の席の子に告白されてすでに付き合っていました。（すぐ別れてましたが）
学年が変わり、クラス替えで彼と離れたのですが、彼が私のクラスに突然貸してたゲームを返しに来ました。まだ彼が好きだった私は飛び上がるほど嬉しかったのですがその気持ちは隠し、ずっと片思いでいようと決めました。
しばらくして私には彼氏ができました。親友の彼とはよく長電話をしていたので電話で報告をするとなぜか落ち込んでいました。
学校でもたまにしか話さなくなってしまったのですが、話してると彼氏が怒って呼び戻しに来るので前みたいには話せなくなってしまいました。
大学受験を控え、喧嘩が増えた私たちは別れました。
卒業間近になった頃、親友の彼と進学決定祝いに別館の教室で放課後お菓子パーティーをしようという話になりました。彼は地元の大学、私は関西の大学に進学が決まっていたので、地元に帰ってきたら遊ぼうねなんて話をしていました。日が暮れて、そろそろ帰ろうかと話をしていた時、彼が突然手を握ってきました。（彼）「今更遅いかもしれないけどずっと好きだった。今も。あのときは悲しい思いさせてごめん。」（私）「私は諦めて気持ちを隠してた。ずっと前から好きだった。今も大好き。」
そして抱きしめてキスをしてくれました。
（彼）「遠距離になるけど絶対大丈夫だから頑張ろう。たくさん会いに行くよ」
そうして4年間の遠距離を乗り越え（もちろんいろいろありましたが）大学卒業後に同棲、その後結婚し、今では夫になった親友と最愛の娘と犬と仲良く楽しく幸せに暮らしています。
遠距離は辛かったですが、その分絆は深くなりました。出会ってから今まで辛いこともすれ違いもたくさんありましたが、今では全部が笑い話です。

written by ぴくまる