10000kmの片思い

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2年前の夏のことです。私は中学3年生でした。夏休みが始まる3週間前、私のクラスに夏休みまでの体験入学生がやってきました。それが彼との出会いです。

彼は日本人なのですがフランスで暮らしており、向こうの学校が夏休みの間一時帰国で日本にやってきたようです。元々日本で暮らしてたので日本語は自然に話せて、さらにフランス語までペラペラ、英語も得意、さらに身長も高くスポーツ万能、イケメンで誰にでも優しく接するまさに非のうちどころがない人でした。そんな彼ですからもちろん女子人気もかなり高く、しかも夏休みまでしかいないということもあってアプローチをかける女子も多数いたそうです。

私もそんな彼に一目惚れしてしまった女子の1人でしたが自分に自信がなかったので、この恋もすぐに終わるんだろうなと思っていましたが、なんと私が所属していた写真部にだけ体験入部にきてくれたのです。うちの部活は写真部とはいっても部員の半分以上が幽霊部員でろくに活動もしていないので、毎回部活はおしゃべりの場と化していました。私はこのチャンスは逃すまいとLINEを聞き出し、夏休み中に私と彼を含めた男女複数人で遊ぶことになったのです。その時に告白しよう思ったのですが、なかなか2人になれるチャンスがなく結局告白できませんでした。彼がフランスに戻るまでにもう一回遊ぶ予定だったのですが、彼に急遽予定が入り告白のチャンスは完全に失われてしまいました。

そのまま彼はフランスに戻りまた一年後、もう一度日本に一時帰国してきました。私たちは高校一年生。私は1年間ずっと彼のことが好きでした。LINEでの連絡もずっと続いていました。すると彼と私の友達と私の3人で遊ぶことになったのです。私の友達は私が彼のことを好きなのをわかっていたので、気を遣って2人きりにしてくれました。私は思い切って1年間ずっと好きだったことを伝えました。

結果は、ダメでした。

フランスで彼女ができたと彼は言っていました。私は泣くのをこらえ、あえて元気に振る舞いその年の夏を終えました。このように、私の10000kmの片思いは終わったのです。

あれから約一年が経ちました。私は彼への恋心をさっぱりと忘れて、新しい好きな人を見つけ、付き合っています。フランスにいる彼とは今でも連絡を取り合っていて、お互いがお互いの相談役のような関係を築いています!

written by コットン

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コットン

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