朝の15分

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私が中学3年生の時の話です。

私は中学2年生の頃から同級生の山本君が好きでした。
3年生になって同じクラスになれたはいいが、話しかけたりは恥ずかしくて出来ませんでした。

私はいつもクラスで一番に登校してました。
ある日いつもの時間に登校すると山本君と下駄箱で会いました。
[早いねー。どうしたの?]これはチャンスだと思い、ドキドキしながら勇気を出して話しかけてみました。
[たまには1番に来てみようと思って。]と、山本君は返事してくれました。
会話出来たのが嬉しく、そのまま教室の鍵を取りに行こうとしたとき、[じゃあゆんの鞄持って行くな。]
と山本君が言ってくれました。
それから毎朝同じ時間ぐらいに登校したときは交代で鍵を取りに行き、もう1人が鞄を教室まで持って行くのが習慣になりました。私達が登校してから15分ぐらい開かないと誰も登校してこないので、その時間で少しずつ山本君との会話も増えていきました。

しかし、ある日登校したら山本君はすでに教室に来ていて同じクラスの女子と2人でいました。
後から聞いた話では2人は2ヵ月前ぐらいから付き合っており、山本君が早く来ていたのは部活の朝練がある彼女と一緒に登校していたからでした。
私はその事に気づいた後も山本君との習慣は続けてしまいました。
告白は出来なくなったけど、卒業まであと少しの時間を大切にしたかったのです。

思いを告げられないまま卒業して、別々の高校に進学しましたが、高校2年生のときSNSで再会しました。
SNS上で私はあの時好きだったこと、朝の時間がとても嬉しかったこと、伝えることができました。
山本君は私の気持ちに気づいてたこと、ありがとうと言ってくれました。

中3の朝の15分はとても大切な思い出です。

written by ゆん

エピソード投稿者

ゆん

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