同窓会での奇跡

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小学生の頃、好きだった男の子がいました。でもクラスは小中の9年で1回もかぶらず、話した事もあまり記憶になくて、あったとしても挨拶程度だった気がします。

そんな彼は男友達とばかりつるんでいて、やんちゃな子でした。いつも楽しそうにしている姿を見掛ける度に「いいなぁ」と目で追っていて気が付いたらその子の事が気になって仕方なかったのです。
学年が上がるにつれて性格が暗くなっていってた私にとっては好きの気持ちとは別に、羨ましさもあったのだと思います。

もちろん周りにも好きな子を聞かれても絶対その子の名前を出さずに過ごして、話しかける勇気擦らなく、ずっと遠くで見てるだけでした。中学では人数が増えたせいで元から多かった生徒数が更に多くなり、彼をみかけることもなくなりました。
そして、中学卒業と同時に県内でも離れた高校へと行くため引越しをし、バイトや生活でいっぱいいっぱいの日々を送っていたため、その子の事など思い出すことなく20歳になりました。

地元に帰ってきていたので、成人式前の同窓会に親友から誘われました。
小中が根暗だったので行く気にもならず断っていたのですが、やはり大切な親友からの頼みということもあり、嫌々ながら参加した時に彼と再会。
最初は「見覚えあるけど誰だったかな…」位でしたが、彼の着ている服が私も持っている服と同じだったので少しずつ存在が気になり、お酒の力もあり話し掛けたおかげで彼と色々話しました。
他の同級生が彼の名前を呼んだ時に、昔好きだった彼と言うことが分かり一気に心臓がバクバクしたのを今でも覚えています。(あまりにもかっこよくなってたのでわかりませんでした…笑)
ほろ酔いの彼を介護しながら皆でカラオケに行った時もずっと隣で楽しそうにしていて、昔と変わらない姿に思わず笑ってしまうほどでしたが、カラオケの時に居眠りしていた彼が私の肩に頭を置いてきたり、私が寝そうになった時に彼が肩に頭をのせさせてくれたりしていて、昔では考えられなかった状況に心臓が飛び出るくらいドキドキ。「ああ、また好きになるかもしれない」と感じた瞬間でした。

そして成人式で彼を見かけて勇気をだして声をかけ、一緒に写真を撮って貰いました。学校毎に集まっていたので彼をみかける回数も多く、目で追っていく内に「やっぱ好きだな」と、彼への恋心を自覚しました。

成人式が終わってから彼と毎日LINEで話すようになり、ご飯の約束もでき、電話もちょこちょこするようになりました。

もちろん話題は昔の話で、向こうも私の存在を覚えてくれていたおかげで話が弾みました。
そしていつも通りLINEでやり取りをしていた時に「昔好きだった人いたの?」という懐かしい話あるあるの話題に。彼の昔好きな人を聞き出した後に「俺が教えたんだからお前も教えてよ。」といわれ、他の人の名前を出そうか悩みましたが賭けに出るタイプの私は思いっきって「君だよ」と答えました。
彼は「え、本当?なんかキュンキュンするねんけど笑」と返してくれました。
私が後悔したのはその後でした。
今好きな人の話になったのです。
大学生の彼の事だから恋愛しているんだろうと思い聞き出したのですがまさかの「いないよ」と言われ、更に「お前は?」と聞かれてしまいました。
告白するなら絶対直接派の私でしたがほろ酔いだったこともあり勢いで「昔好きだった人」とだけ送りました。
気付かれないだろうと思っていましたが彼は「え、本当に言ってる?」と返してきて、私は「あ、やべぇ」と思い急いで話を切り替えようとしましたが、彼から「ご飯の日に返事するからそれまで待っててくれる?」とメッセージが来て私は「わかった」とだけ返し、別の話に切り替えました。
LINEで告白まがいの事をしてしまった事やご飯の日まで2週間くらいあった事からもやもやしたまま過ごしていたのですが、彼とのLINEが毎日仕事で疲れてる私の癒しの時間でしたし、彼の言葉に一喜一憂したり、電話で今日あったこと等話す時間がとても好きでした。

そして、ご飯の日がやってきました。
1ヶ月もLINEで毎日昔の話を主にしていたにも関わらずご飯の時も小中の話に話を咲かせて楽しく過ごしました。が、告白の話題は一切無し。
お酒の力を借りて帰り道に思いっきって「返事、聞いてない。」とだけ伝えました。
彼に「うん、俺も言おうと思ってた。まぁ少し歩こうよ」と言われ無言で帰り道を歩いていました。

数分歩いた時に彼が立ち止まって私の方を見た時は心臓が止まりそうになりました。私が彼をじっと見ていると、「話してて面白かったし、一緒にいて楽しかったから、俺からもお願いします」と言ってくれました。
嬉しくてうれしくて思わずしゃがみこんで泣きそうになるのを堪えて「はい、好きです。ありがとう」と言うと彼は「これからよろしくね」と言ってくれました。

今まだ付き合って1ヶ月すぎですが、やんちゃな彼の記憶しかない分、今はかっこよくて、彼氏らしいことを沢山してくれる今の彼と昔の彼とのギャップ萌えに苦しんでる日々です 笑


昔は地味で可愛くなくて、自分に自信が無いせいで彼に話しかけることすらできなかった私でしたが、今は同級生達から「気付かないほど綺麗になった」と言って貰えるくらい変われたおかげで自分に少し自信が持てるようになり、彼に話しかけることが出来ました。

幼い時の恋心なんて大人になるにつれて忘れるだろうとおもっていましたが、あの時私が彼をすきになったから今の幸せがあるんだと思うと昔の私に感謝です。笑

お互い同窓会にいくのは乗り気じゃなかったと付き合ってから判明しましたが「今じゃ同窓会に行ってよかったって思ってるよ」とお互い笑いながら話しています。

10年越しに叶った恋でした。

written by Noa

エピソード投稿者

Noa

秘密 投稿エピ 1

20歳