舞う桜の花びらを好きな人の名前の文字分だけキャッチすると両想いになる。
そんなまじないを聞いてから君は春になると、毎年桜の木の下にいく。
1人は寂しいから、なんてもっともらしい理由をつけて私を誘う。
でも私は知っている、そのおまじないは効かないんだって。
1枚でもキャッチできると嬉しそうにこっちを見る、君の無邪気な笑顔。
分かってはいても期待してしまう、もしかしたら…なんて。
きみを想って捕まえた花びらの分だけ、この思いが実ることは無いと分かっているから。
それでも諦めることはできない。
だからせめて側で見守らせてほしい。
この気持ちが報われなくても。
written by 熄(うずみび)
Sponsored Link