後悔したくなかったから。

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僕は高校3年生の4月、現代文の先生に恋しました。
少しあわてんぼうで、何事にも一生懸命取り組んでいる、小柄で髪型がボブの先生。小動物みたいで可愛いなぁと思ったのが意識してみるようになったきっかけでした。

ある日、先生に国語の質問に行っている子を見ました。
「少し時間をちょうだい」
そう言ってその日の午後に、これでもかと書き込まれたプリントをその子に手渡していました。
あそこまで、生徒に向き合ってくれる先生に尊敬の想いが湧きました。

席替えで教卓の前の席になった時、授業中に先生の授業用ノートを見ました。
何ページにもわたって書き込まれたノート。生徒想いな先生に次第に尊敬とは違う想いが溢れるようになりました。
今思えば、4月のあの日の一目惚れだったのかもしれません。

でも僕はただの生徒で、先生から見たらたった週2時間受け持っているクラスの子。
それでも伝えないことで後悔するのが嫌だったので…僕は卒業式当日、手紙を持って学校へ行きました。
式が終わり、周りのみんなが写真を取り合っている中、友達と先生の元へ行きました。
友達が先生と写真を撮ってもらった流れで僕も写真を撮ってもらい、最後に手紙を渡しました。
「ありがとう!一生懸命授業受けてくれてありがとうね!」
先生の言葉に何とか笑顔で答え、家に帰って泣きました。

『1年間ありがとうございました。
先生のおかげで苦手だった現代文で高得点が取れるようになりました。
先生の授業とっても楽しかったです。

突然ですが、僕は周りの人と恋愛観が異なります。僕の恋愛対象に性別は関係ありません。
そして、女子の制服を着ていて髪もながいですが自分の性別は自分でもよくわからないです。
それを知ってもらった上で後悔しないように書きます。

4月から大好きでした。』
そう書いた手紙。まさか同性から告白されるなんて先生も思ってなかったと思います。
それでも伝えてよかった。そう思いました。
数年後、高校へ遊びに行き先生と会うことがあったら卒業式の日と同じように笑顔で話せたらと思います。

written by ひなの

エピソード投稿者

ひなの

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