少し切ない記憶

少し切ない記憶

大学1年生の時、家の近くに新しく出来たコンビニのオープニングスタッフに採用され、バイトをすることになりました。
オープンから3日間はオープンセールを行っていて、3日間とも長めのシフトを入れていました。
そこで別店舗のコンビニから応援スタッフとして、中村さんという、少し年上の男の人が来ていたのですが、とても気さくでノリもよく、私は兄のように慕っていました。中村さんも妹みたいだと言って可愛がってくれました。
しかしその中村さんはオープンセール中3日間だけの応援スタッフでした。
中村さんと会える最後の日はとても冷え込んでおり、手が冷たかった私に、帰り際、カイロと好きだと言っていたレモンティーをくれました。
特に連絡先などを交換することも無く、少し名残惜しいさよならをしました。
今でもその店舗でバイトをしていますが、中村さんとはそれ以来会えていません。
帰りに連絡先を交換していたら何か変わったのかな、と少し後悔している自分も居ますが、今では切ない思い出として胸にしまってあります。

written by ねん