私は私立の中学校に通っていました。
まじめな子ばかりで髪の毛を染めて
ピアスもあけていた私は完全に浮いた存在で
学校に友達はいませんでした。
ただ一人を除いて、
その子は可愛い顔の男の子で
誰に対しても優しい子でした。
地元には話の合う友達も沢山いましたし
彼氏もいました。
だから私はその子を
ただ学校で話す子という目でしか見ていませんでした。
中学3年生になった頃私は彼氏に振られました。
落ち込んでいた私を一番支えてくれたのは
唯一学校で話す彼でした。
その優しさにだんだん惹かれていた頃彼に告白されました。
もちろん返事はOK
その後別れる事なく月日は進み彼と同じ高校に進学しました。
ですが私は中学で覚えた悪い遊びの癖が抜けず
内緒で浮気をしたり毎日夜遊びを繰り返していました。
自分の周りにいる派手な子と違い
彼はまじめで退屈だと感じていました。
愛情表現を口にしてくれないことも不満でした。
彼と一緒だった高校も退学になり
単位制の高校に移ったこともあり
昔より派手に遊ぶことが増え彼との時間を大切にしなくなりました。
そんなある日彼から
「好きな人ができたから別れよう」といわれたのです。
合計4年も付き合って彼の誠実さや嘘も
わかるようになっていた私は
なんとなく彼が嘘をついているように感じ
「好きな人は誰?」と聞きました。
「関係ないやろ」という返事を聞いた瞬間嘘とわかっていながら
私は「 そう、じゃ幸せに!」といい電話を切りました。
その後彼を失った喪失感なのか
あんなにないがしろにしていたのに涙がとまりませんでした。
後日彼が私の家に置いていた荷物を取りくるというので
駅まで荷物を持っていきました。
荷物を渡してさよならの時なかなか彼は電車に乗らず
何か言いたそうにこちらを見ていました。
それには気づいていたし、
プライドを捨て引き留めるなら今だと感じていました。
ですが私が発した言葉は
「電車もうすぐ来るよ、ばいばい」でした。
そして彼は電車に乗り
会う事も連絡を取る事もないまま何年もたちましたが
私は誰と交際しても彼を忘れることはできませんでした。
あの時泣いて引き留めていたら
あの時話をしていたら
もっと私がまじめだったら
彼を大切にしていたら
今も隣にいてくれたのだろうかと後悔と未練でいっぱいでした。
そうして私も大人になり彼を忘れることがないまま
23歳になった時偶然一つ目の高校の同級生と会いました。
話をしているとその子(女の子)は大学で彼と仲が良かったらしく
私の話を彼から聞いたそうです。
飽きられている気がしていた振られるのが怖かった
もし振られたら俺は忘れる事ができない
だから嘘をついて振った。
一番大好きだったと、
大人になって沢山恋愛した今ならわかります。
彼はすごく口下手で不器用だけど
きっと誰よりも私の事を愛してくれたんだと。
5年越しでしたが彼の本当の気持ちを知った途端
不思議と未練はその時なくなり
今は彼がどこかで幸せになっていることを心から願っています。
written by kf
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