1日すぎのバレンタイン

1日すぎのバレンタイン

付き合って1ヶ月と少し経ちましたが、
テスト期間ということもありとても忙しそうな彼。
ラブラブとはほど遠く滅多に会えないこの関係に、寂しさを感じていました。

「好きな人が出来たらバレンタインは手作り！」と思っていましたが、コロナウイルスの影響もあり8日に既製品のチョコを渡して終わらそうとしました。

しかしやっぱり渡そうと思い、チーズケーキを手作りし彼のバイト終わりを狙いバイト先に行きました。
「バイト終わってから少し時間ちょうだい」とだけ伝えているため私はドキドキしていました。

「どうしたの？なんの話するの？」となぜ呼びだされたかわからない様子の彼。とりあえず駅まで歩きなが会話をしていました。

「この前あげたチョコは食べた？」
『あと抹茶だけある(全部で4つ入り)』
「義理チョコクラスの女の子から貰った？」
『俺が貰えるわけないやん』
「じゃあいる？」

彼は『どちらでも』と言い、私はその態度にムッとすると『お兄さんが貰ってあげる、はい』と手を出しながら催促してきました。

渡すと『ん、ありがと』と言い特に大きなリアクションもせず歩いていましたが、彼の耳は少し赤くなっていました。

『お兄さんが貰ってあげる』なんて歳下の男の子にそんなずるい言い方をされ少しキュンとしてしまいました。それ以上に既製品のチョコ大切に食べてるんだと思い、つい笑ってしまいました。

普通のカップルとは程遠いラブラブなバレンタインではありませんでしたが、わたしにとっては忘れられない時間になりました。

written by みか