高校に入学し、まだ男子と慣れていない頃。
交流を深める為のカレー作り遠足に行きました。
女子の間で○○くんかっこいいよねーって話題に出てる男子たちとは同じ班になれず、
仲の良い女子4人とくじで決まった男子4人の班に。
コテージまでの道では女子だけで話していて男子とはほとんど会話しませんでした。
いざカレーを作るとなると男子は遊びに行っちゃうし、女子は女子で会話に花が咲いてしまい、私は1人で鍋番をするハメに。
すると班の1人のちょっといかつい男子が近づいてきて、何も言わずに近くにいてくれました。
「みんなのとこ行かなくていいの?」と聞くと、ちょっと怖かったせいか声が小さく聞こえなかったようで
「ん?」と顔を近づけて来ました。
その予想外の行動にドキッとしてしまい、それからは彼のことが気になるように。
友だちの協力もあってアドレスを入手し、メールをする毎日になりました。
積極的にメールはするくせになかなか告白できずにいると、メールでではありましたが彼の方から付き合いたいと言ってくれました。
もちろん答えはOK。
でもみんなには内緒にして欲しいということで、学校帰りに会ったり人目を盗んで一緒に帰ったり。
そんな中、バスケ部だった彼は怪我で部活を続けることが出来なくなり、
ダンス部が順調だった私と、やりたくても出来ない自分とでストレスが溜まり、別れを告げられました。
それから彼は素っ気ない態度。
会話することもほとんどなくなり、2年生は違うクラスに。
お互い違う人と付き合ったりもしていました。
そして3年生、同じクラスに彼が。
変わらず会話をすることはほとんどなかったのですが、
合唱コンクールで伴奏をする予定だった女の子が手を怪我してしまい、私が弾くことに。
決してピアノが得意ではない私は毎朝、みんなの朝練よりも早く来て1人練習の日々。
ある日、たまたま彼が朝練の時間より早く教室に入って来ました。
「毎朝練習してたの?」と久々の会話。
「怪我した子が気にしないように少しでも早く弾けるようになりたくて」と話すと
ピアノの長椅子の空いた部分に彼が背中合わせに座りました。
それからというもの、毎日彼は朝練より早く来て同じピアノの長椅子に腰かけ黙って一緒にいてくれました。
合唱コンクールは優勝出来ず、彼とも発展することはありませんでしたが、
甘酸っぱい良い思い出となりました。
そして成人式でたまたま彼に会ったとき、
俺の元カノーってみんなに紹介してくれました。
あとから聞いた話ですが、
付き合った時、彼の仲の良い友だちが私を好きだったから内緒にしてたということと、
自分のせいで別れ他の子と付き合ってはいたけど、ずっと好きでいてくれてたそうです。
今は別の男性と結婚していますが、
自分から好きになってアプローチした人は
後にも先にも彼1人だけです。
written by Marie
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