15回目の誕生日

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私には中学2年生の頃から好きな人がいた。その人は生徒でも、男の人でもなく。私と同じ女の先生だった。
髪はショートカットで、スタイルのいい小柄な先生だった。その先生はとてもクールでサバサバ場を仕切っていく存在で、内気で人見知りな私とは正反対みたいな存在だった。そんな先生に憧れて好きになったのかもしれない。
そんな先生を好きになったと唯一相談していたのは、私の担任の男の先生だった。その先生は親身になって私の話を日誌を通して聞いてくれていた。

そんな先生をただ遠くから見ているだけの日が過ぎ去っていく中、私の誕生日の近くの日になった。その日の日誌を返される時に担任から、「今日の日誌はひと味違うぞ〜」と言われ、何かと思い開くと、1枚の紙が挟まっていた。そこには「Happy birthday!!」と私の大好きなアニメキャラが書かれていた。「これ誰が書いたの~?もしかして先生~?」と担任に聞いてみると衝撃の答えが。
「俺なわけないだろ。お前の好きな人に決まってるだろ。」

こう言われ、私は顔が真っ赤になってしまった。嬉しいという気持ちが表情に出ていた。
なぜ私が好きなことを知っていない先生が、私に向けて絵を書いてくれたのか。それは、誕生日が近いと知っていた担任が好きな先生へコッソリ頼んだサプライズだった。

いい先生を担任に持って、心優しい先生を好きになってよかったと、心から思った瞬間だった。

written by みしゅあ

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みしゅあ

女性 投稿エピ 2