小学生の頃からずっと好きだった幼馴染の男の子。高校生になり、会う事もなくなってしまったある日、道端でばったりすれ違い、思わず声をかけました。
久しぶりだね!良かったらまたどこかで会おうよ!と番号を交換しました。
でも心のどこかで、早くこの気持ちに踏ん切りをつけたいと思っていた私は早々に、実はずっと前から好きだったんだとメールを送ってしまったんです。
答えはもちろん、友達で!でした。そりゃそうだわ…と自分に呆れかえる反面、気持ちの整理が出来てスッキリしました。
それから10年以上経ち、別の人と結婚して、子どもと幸せな家庭を築いていた私は、実家の近くを子どもと散歩していて、その幼馴染の家の前を通るたびに、今はどうしてるのかなぁ?とぼんやり考えたりしていました。
ある日の事、子どもと散歩中にまたその家の前を通った時、その幼馴染のお母さんが庭に出ていたので、子どもがこんにちはと声を掛けました。その時は、本当にただの挨拶だけして帰ったのですが、その時も、家にいるのかなぁ?とまたぼんやり考えました。
その数日後、母からのラインで、幼馴染が亡くなったと知らされました。自宅の自室で自ら命を絶ったそうです。
昔の面影しか残っていないので、今もにわかに信じられないのですが、あの日、あの時、思い切って彼はどうしていますかと聞かなかった事は、ずっと後悔しています。長い時間の間に、お互いに全く違う道を生きてきて、彼が背負った苦しみが何なのか、私は知りたかった。
彼の何かを変えられたかどうかは分からないけれど、話ぐらいは聞いてあげたかったと、思わない日はありません。
written by おぐ
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