今でも忘れられない初恋(後編)

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前編の続きです。

私はしばらくモヤモヤした状態が続き、秋が深まる頃親友の子に思い切って彼のことどう思っているか聞きました。しかし、
「うちは何とも思ってないよ!応援してるし!」
と言っていました。
なので、彼にも思い切って
「あの子(親友)のことどう思ってるー??」
と聞いてみました。しかし、
「ただのうるさい人」
とだけ答え、いつも通りの笑顔を見せてくれました。そしてその後、
「お前少し背縮んだ?」
と言われました。
たしかに言われてみれば彼の方が少しだけ背が伸びていました。気付かないうちに大人びていってたんだなとますます好きになってしまいました。だけれど、せっかく同じクラスで話す機会もたくさんあるのに今の関係を壊したくない…そんな思いから気持ちを伝えられずにいました。
そのまま月日は流れて学年が上がり、私と彼はクラスが離れてしまいました。しかし、廊下や授業で会う度に、
「今日もうるさくしてるのかー??」
「元気か??」
などと話しかけてくれました。

中2の4月末、私は親から
"転勤命令が下りたから5月末には引っ越さなければならない。"
そう伝えられました。
5月に入り、私の引越しは学年の友達の間に知れ渡り、当然彼の耳にも入っていたと思います。しかし、彼はすれ違う度に笑顔で話しかけてくれ、一度も引越しについて触れてきませんでした。
私は想いを伝えないと後悔すると思いながらも中々踏み切れないままで、結局学校へ行く最終日になってしまいました。
私は手紙をそっと彼の靴箱の中に入れてその学校を出ました。
手紙の内容は、
「中1のとき、入学式の名前を聞いたあの日に一目惚れしてずっと好きでした。想いを伝えられないまま引っ越してしまうのが嫌で、でも直接言えなくて手紙になってしまいました。私のことわすれないでね!寂しくなったら電話かけてくれてもいいんだよ!」
で、自分の携帯の電話番号も下に書きました。

その次の日、車で移動していたら公衆電話から電話がかかってきました。出てみると、
「俺だよ!なんでもっと早く言ってくれなかったの?!っていう俺も言えなかったんだけどさ、ずっと好きだったよ、俺も!」
涙が出ました。ずっと両想いだったのならもっと早く気持ちを伝えていれば良かったと後悔しました。

その後、私は電話番号が変わり彼と連絡をとることはありませんでした。
そして、私は今他の方と結婚して子どもも授かっていますが時々"今は何してるのかな"と彼のことを思い出してしまうのです。

written by 彩り野菜

エピソード投稿者

彩り野菜

女性 投稿エピ 5