彼女と付き合い始めた頃の話。
学校からの帰り道、いつも僕らは彼女の家の近所をグルグル歩き廻りながら話し込んでいた。
2人でいるのがただ楽しくて、いつもなかなかバイバイできなかった。
その日もいつものように2人で歩いていた。
薄暗くなった道、思いきって彼女と初めて手を繋いだ。彼女と僕は照れながら、少しぎこちない会話をしながら歩いた。
急に彼女が止まった。「あ…」と言ったまま固まった。彼女の視線の先には自転車で近づいてくる女性。嫌な予感がして繋いだ手を離そうとしたら、なぜか彼女は強く握り離さない。
彼女が「お母さんだ…」と言った。
やっぱり〜!マジか〜!
どうするんだよ!この手!!
僕は心の中でパニックになった。
彼女は手を握ったまま、なぜか普通に「おかえり。今日仕事早く終わったんだね」とお母さんに話しかけた。僕は慌てて挨拶をした。
お母さんも戸惑いながらも繋いだままの手の事には触れずに挨拶してくれた。
後から彼女から聞いた話では、あの時彼女も突然のお母さん登場にパニックになってたようで、なぜか逆に手に力が入り離せなくなったとか。
お母さんからは後で散々からかわれたようで、とりあえず今後近所ではやめてくれと…。
お父さんには内緒にしてくれることを約束してくれたらしい。
written by まろお
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全てのエピソードは高校時代から付き合っている彼女との話です。近く結婚する事になり、以前からこのサイトをよく見てる彼女へのサプライズに投稿しました。