年越しで出会った彼の秘密

年越しで出会った彼の秘密

友達と京都で年越しをしたときのことです。
有名な神社に年が明ける15分前くらいにいくと、何百人もズラーっと列があり、なかなか列は進まず、友達と暇だねーと話していました。友達と話しながら、前に立っている男の人たちが目に入りました。
スラっと背が高くて、かっこいいなぁ、後ろ向かないかなぁと思っているとその男の人が振り向き、「地元の方ですか？」と話しかけてきました。
そこからたくさん話して仲良くなり、年が明けても神社には入れそうになかったのでそのまま一緒に飲みにいくことになりました。
かっこいい男の人は私の隣をずっと歩いてくれ、居酒屋でも周りをよく見て気を遣っていることがよくわかり、誠実そうだしますますいいな、と思うようになりました。
朝になって解散し、LINEをしました。
LINEでまた2人で会う約束をし、ご飯を食べにいきました。
お酒をほどよく飲み、２軒目のバーでも飲みました。優しい笑顔で顔を覗き込みながら話され、ドキドキが止まりませんでした。
お互いの仕事の話や第一印象の話をする中、前回の年越しの日、元々は遠めの場所に並んでいたけど可愛い子がいるな、と思ってそこから動いて話しかけるタイミングを伺っていたんだ、と言われ、嬉しくなりました。
そして終電の時間を気にしてくれ、そろそろ駅に向かおうかと言われました。
歩いていると手を繋がれ、キュンとしていたのですが途中で駅と反対方向に歩いていたことに気づきました。
2人で慌てて逆方向へ向かい、間に合わないかな、、と思っていたらすぐにタクシーを捕まえてくれました。
タクシーの中でも手を繋がれ、「このまま終電逃して一緒にいたかったけど、それをされると嫌いになるでしょ？」と言われました。
確かに初めて２人で遊んだ人にそんなこと言われていたらどんなに気になっている人でももう2度と会わないな、と思っていましたが、その考えを見透かされていたのと、しっかり帰れる段取りをとってから「ほんとは一緒にいたかった」と言われたことに、嬉しさや私も一緒にいたかった、という思いが出てきてしまいました。
その日はそのまま帰ったのですが、年が明ける前に出会い、年越しも一緒に過ごした彼はとてもスマートでカッコよく、キュンキュンさせられっぱなしのデートの思い出ができました。

が、話はまだ終わりではありません。
実は彼、結婚していました。
年越しの日、指輪は付けていませんでした。確信犯です。
しかも、私以外の女の子ともめちゃくちゃ連絡とってます。
彼は悪気なく結婚していることを明かしたのですが、とんでもないです。
不倫なんてしたくないのですが一度いいな、と思ってしまった人です。きつく言うことができず、次に会う約束をドタキャンすることぐらいしかできていません。
徐々にフェードアウトしたいと思っています。

初めて会ったときの誠実で素敵な人、という印象はどこへやら、とんだ女たらしです。
2020年、男を見る目を磨かなければいけないなぁと思った出来事でした。

written by あんな