入れ違いの恋

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春。高校1年生になって、何日か経った日の英語の授業で隣の人と席をくっつけて英語で自己紹介をするというアクティビティがありました。

私はまだ、隣の席の人がどんな人なのか知らなかったのでその時に初めて顔を見ることになります。
そして、私は顔を見た瞬間(かっこいいなぁ…)と心の中で思いました。サッカー部で少し肌は小麦色で、クールなさっぱり系のイケメンでした。性格は派手じゃなくて、落ち着いている感じです。
しかし、その人には地元に彼女がいたので好きになってはいけないと思い、学校の"推し"として密かに過ごしていました。好きだけど、それは"推し"としてだから。と、自分に言い聞かせて。
そのアクティビティの日の夜に、その人のLINEのアカウントを追加してそこからずっとLINEは続いていました。

少し思わせぶりなところがあって、例えばクラスの打ち上げの時。部活で打ち上げに遅れるという連絡を、クラスのグループLINEに送ったらいいものを、私のLINEに送ってきたり。 隣の席の時は、ふと目が合ったら笑いかけてくれたり、授業中うとうとしてる私をトントンと叩いて起こしてくれたり。

そんな日々が続くと思っていましたが、"推し"の彼は彼女と上手くいってるらしい。もうこれは絶対、別れないやつだと思い、私は、ちょっとの可能性にかけるのをやめて、本当にただの"推し"とすることにしました。

そして、夏休み。
私に、同じクラスの草食系で奥手な彼氏ができました。
ですが、あまりにも草食系すぎて私の方から1ヶ月くらいで振って彼との関係は終わりました。

さらに、秋。文化祭が終わった頃。
私は、バスケ部の他クラスの男子を好きになりました。
2人で一緒にカフェに行って、テスト期間に勉強したりと結構いい感じにはなっていました。

10月半ば。 "推し"だった彼から「失恋した」とLINEが来ました。彼女と別れたのです。「冷められた」と言っていました。私はびっくりしましたが、バスケ部の人のことが好きだったので、「ふーん」くらいの気持ちでした。

しかし、私の女友達からバスケ部の好きな人が女好きという事実を聞かされたのです。複数の女の子とLINEをしていたり、私以外の女の子と遊びに行って、プリを撮っていたり。
少しびっくりしたし、もやもやはしたけど まだ好きかな…と思い、見過ごすことにしました。ですが内心、冷めていたのかもしれません。

12月上旬、"推し"の彼から映画に誘われました。
普通に友達としてならいいかなと、OKして2人で映画を見に行きました。その時は楽しかったし、時間もあっという間に過ぎました。

終業式間近、"推し"の彼は部活の遠征で学校を公欠し、遠くへ行っていました。その彼とのLINEで、恋バナをしていました。「好きな人いる?」から始まり、めちゃくちゃ盛り上がりました。"推し"の彼にも、好きな人がいるらしく、いろいろヒントをもらいましたが、なかなかわからず………。
私は一応、まだバスケ部の人のことが好き…だったので、ヒントはその人のことを出したりしていました。

そして、その恋バナで私が彼に冗談半分で「好きな人といたらどんな感じになる?」と聞くと彼は、「なんか、ドキドキする」と言っていました。そして私はまた冗談半分で、「そんなふうに想われて、(彼の名前)くんの好きな人は幸せ者だね笑」とLINEを送ると、

「ほんと幸せ者だな、(わたしの苗字)は」
「笑笑」

と返ってきました。

どうやら彼は、わたしのことを好きみたいなのです。
本当に驚きました。
ですが私は、バスケ部の人のことが好きだったので断ろうとしたのですが、一応私も1学期の時は彼のことが好きだったので、それだけ伝えると、「入れ違い、悲しいね。」と言われました。そしてなぜか話がそれて、何も無かったかのようになってしまいました。

しかしそのあとも"推し"の彼とのLINEは続いていました。

数日経って、12月23日。
私はもう1回よく考えてみることにしました。
自分の気持ちに正直になろうと思いました。
私は今一体、誰のことが好きなんだろう、と。

考えた結果、私はもうバスケ部の彼に対しての恋愛感情は消え去っていました。完全に冷めたのです。

(私は、(彼の名前)くんのことが好きだ。)

(結局私は、(彼の名前)くんのことをずっと好きだったんだ。)

そう思ってすぐ、私はLINEで彼にこのことをLINEでですが、伝えました。

わたし(LINE)「私、正直気持ちに迷ってた。」
「(彼の名前)くんと、同じ気持ちです!」

とLINEをしました。
すると、「がち?!」「めっちゃ嬉しい!!」と返ってきました。

ですが、まだ付き合ってくださいとは言われてないので"両想い"っていう感じで…

12月30日、ふたりでデートに行くことになりました。
そのデートの最後の方に、公園のベンチに座ってゆったりしていると、

「俺らって付き合ってんのかな」

と彼が一言。

私は、「わからん笑」と言いました。

少し間をあけて、彼が

「付き合ってくれる?」

と告白してくれました。

私は、嬉しすぎて「は、はい!お願いします!あ、お願いします、えーっと、お願いします、あっ、その、」

とかなりテンパってしまいましたが(彼に笑われました笑)、無事付き合うことができました。

まだ付き合ったばかりですが、これからどんどん仲良くなりたいし、いろんなところに行きたいです!

written by 水星ザリガニ

エピソード投稿者

水星ザリガニ

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