これは私が高校一年生のときのお話です。
私には中学二年生の時からずっと好きな人がいました。私は彼の前だととても緊張してしまって、挨拶もろくにできませんでした。彼とは中学生のときからずっと同じクラスでしたが、いつも席が離れていました。
そんなとき、席替えで彼が私の後ろの席になりました。これはチャンスだと思って、仲良くなる機会を伺っていました。しかし、相手は運動部で友達も多く、私とは真反対の人です。そう簡単には接点を見つけることができず、そのまま1ヶ月がすぎました。
ある日の放課後、いつもならすぐ部活に行ってしまう彼が、弁当を食べるために教室に残っていました。私はまさか彼が残っているとは考えておらず、目に入った彼に何も考えず、「じゃあねーお疲れー」と言ってしまいました。私は思いもしなかった状況に、動揺で頭が真っ白になりました。
彼はいつも挨拶をしない私が急に声をかけたことに驚いたのか、ご飯を食べる手が一瞬止まりました。でもすぐに笑顔で「ばいばい!」と手を振って返してくれました。思わずにやけてしまいました。
次の日の朝は相変わらずお互い挨拶をせず、関係が進んだわけではありませんでしたが、今でも忘れられないほど嬉しい思い出です。
written by 石田ゆうか
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初恋は小6でした。