物語の終わり方

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大学1年生になり彼氏も好きな人もいないまま夏休みも過ぎた頃、11月にある学祭での出し物の準備を進めていました。周りの友人たちは人任せな所もあり、私が積極的に仕切りながらあれこれしている時、何となく一緒に仕事を進めていく上で仲良くなった同期の男の子がいました。当初は恋愛感情などなく、ただの友人として向き合っていました。
仕事を始めていくうちに、だんだんと彼と仲良くもなり連絡を取りながらお互いの事を知るようになりました。
時間も経ち、お互いに付き合う前の両想いの時期を経て彼からの告白で付き合うことになりました。

それからというもの、学校の皆んなも親も公認のもとお付き合いが始まりました。すごく気持ちが楽で、親友のような彼氏という感覚でとても仲が良かったです。
しかし、付き合って1年が経った時、彼の様子がおかしくなりました。 少し距離を置きたい。突然の事でしたが、その言葉に加え、将来にむけてもう少し集中したい。別れるつもりはないから。との事でした。私は重たいと思われたくなかったのもあり、わかった!と明るく返事をしました。しかし、3日、1週間、と時間が経つにつれ、全く相手にされなくなりました。私はわけもわからず、何かあった?別れたいの?と尋ねても、自分が分からない。ごめん。と言うばかり。私も日に日に心が曇っていきました。その時期は丁度学祭前でもあり、お互いに忙しくなかなか時間も取れない中だったので、私はなんとか彼の心が離れて行く前に話をしたいと思い、見かけるたび、今話しできるかな?と声をかけました。ですが、彼は最初の距離を置きたいと言った時とは違い、話している時でもずっと携帯を触りながら誰かに連絡をしていたり、もういい?とか、今じゃなきゃだめ?とかすごく私自身傷つく態度を取られていました。そんな日が1ヶ月ほど続き、私もメンタルが持たなかったので、もう別れようと切り出しました。好きな人がいるのか分からないけど、もうしんどいと。その時に彼から、もし好きな人がいるって言ったらもっと早くに別れを切り出していた?と言われました。は?と思いながら、考えていたかもしれないと答えると、話したい事があると言われました。

誰にも今まで言ったことないけれど、実は僕バイセクシュアルなんだ。と。私はびっくりしましたが、だからといって偏見を持つわけでもなく、私は彼を人として好きになったからそんなの関係ないと伝えました。
そこから今まで隠していた気持ちのこと、自分を隠さなくてもいいんだと思えた人と出会ったこと、その人の事が好きになってしまったこと、全部聞きました。
やっと本音を話してくれたなと、2人して涙を流しながら話しあったのが11月頭です。彼の意志も固く、別れる事を選びました。

それからというもの、私は彼の事が大好きであったし、別れ方も納得いくものでもなかったけれど、私達のせいで学校の周りの人達に迷惑をかけたくなかったこと、別れて彼は自分のセクシュアリティーを同期達にも話しましたが、私と付き合ったせいでもしかしたら言いたくなかった事を言わしてしまったかもしれないという思い、大学の残り生活を周りからの偏見で彼の人生だしなしにさせたくなかったので、私は別れてからも普通に接する事を選びました。正しいのか、正しくないのか誰にも分からない結果で、でも私がそうしたくて選んだので、このモヤモヤは誰にも相談できませんでした。彼は私にとってすごく大切な存在で、彼の幸せや喜びが私の幸せでもあります。恋人という関係は解消したものの、仲のいい親友のような私たちでした。
そんなある日、彼から新しく気になる人ができていい感じなんだと言われました。別れて半年以上も経っていたので、もう関係ない事だし、気にしないと自分に言い聞かせていました。本当はすごく嫌だったけれど。
それから、彼は好きな人と付き合う事になり、今に至ります。 私は付き合っていた頃から、彼の事が大好きでした。いつも飾らない笑顔で、あまり面白くないギャグで笑わせにきたり、少しおバカなところも、一生懸命なところも、心配性なところも、変にバカ正直なところも、食い意地張っちゃうところも、どこも好きでした。別れて一年経った今、付き合ってた頃の好きとは違った気持ちがあります。一年経っても私は彼が好きです。でも、今は愛の両面が見える気がします。好きだけじゃどうにもできない事、大切だからこそ言えない気持ち、好きだけど、好きになれない部分があるところ、色んな面が見えます。でも最近気づいたんです。彼は彼の人生を生きている。たしかに彼を大切に思う事も大事だけど、私にも私の人生があるなと。まずは私を1番に大切にしてあげたいなと。気持ちも行いも自分にどこも恥を持ちたくないし、自分の本当の気持ちを、相手の事を想ってとか理由つけて無視せずちゃんと向き合いたいなと思ったのです。そんな私はつい先日彼に想いを伝えました。だからって今ある幸せを終わりにしてほしいとか、気持ちに答えてほしいとかじゃない、ただ自分に素直になりたいんだよと添えてです。凄くスッキリしました。別れてからの一年、ずっと自分の気持ちに蓋をしてモヤモヤしていましたが、自分をまずは大切にする事に気づいてからは新しい未来に気持ちを弾ませています。映画も終わり方が大事と言いますが、大好きな人との別れは凄く辛いものを辛さで終わらせるか、少しでも自分の気持ちが晴れるように向き合うか人それぞれですが、私は後者に気づき選んで良かったと思いました。すぐには好きという気持ちを拭えませんが、これからはいつも自分に素直になっていきたいなと思いました。この恋は切なくもあり、でも恋して良かったと思えたものでした。

written by ぴょす

エピソード投稿者

ぴょす

秘密 投稿エピ 1