あれは、中学1年生の時でした。
私は中学に入り二十代後半のかっこいい先生を
好きになりました。好きになったきっかけは、
小さな出来事でした。
元々、酷い頭痛を持っていた私。その日も朝から体調が優れていませんでした。だけど、それはいつものこと、「ん…痛いな…」なんて思いつつ
学校に登校しました。
何とか、午前中の授業は耐えましたがお昼の時間を過ぎた頃には目眩も加わり、もうフラフラ。
我慢できず保健室に行きました。
保健室に行き「頭が痛くて…」と号泣しながら保健の先生に体調不良を伝えました。すると「今日はもう帰ろう。車、用意してくるね」と言われて私は保健室で座りながら溢れる涙をずっと拭って待っていました。
しばらくすると保健室の先生が戻って来ました。
ですが、何故か私の好きな先生も居て。
「大丈夫か?」と、心配した顔で私の顔を覗き
泣き止むまでずっと頭を撫でて待っていてくれました。
泣き止むと「よし。帰ろっか」と私の荷物を持って駐車場へと行きました。私が座ったのは先生の車の助手席。勿論、運転するのは先生でした。
担任でもない先生が送ってくれるなんて想像もしていなかったので心臓はバクバク音を立てていました。
学校から家までの距離なので、車で走ると凄く
短い時間でしたが、小さな音で先生の好きな歌手の歌をかけてくれたり、滅多に話さないような話をしてくれて特別感があり凄く嬉しかったです。
一年後、先生は転勤で違う学校に行ってしまい
もう会えなくなりましたが、後に担任から
「あの日、本当は私が送る予定だったんだけど
先生が"俺が送ります"って自分から言ったのよ〜」
と聞かされ余計、好きになりました。
欲を言うともう一度で良いから会いたいといつも思っています。
written by 夏花
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