君がいちばんでした。

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私が中学生の時のお話です。私は仲の良い友人と3人で登下校をしていて、よく恋バナをしていました。友人A子は同じクラスのBくんに片想いをしているらしく、毎日そのBくんの話題で盛り上がっていました。「クールでサッカー上手くて頭が良くて絵が上手くてシャイで...」とBくんの話になるとA子は永遠に話し続けます。
私にとっては何の関わりもない、ただ同じ学校の、同じ学年の男子。興味もありませんでした。
3年生になりクラス替えが行われました。A子はBくんともクラスが離れ、私とも同じクラスにはなりませんでしたが、私とBくんは同じクラスになりました。(A子にめちゃくちゃ羨ましがられました笑)
あ、A子の好きなBくんだ、初めはそんな印象でした。
毎日A子のために「今日Bくんはこうだったよ、こんなこと言ってたよ、こんなことしてたよ、」そう報告するとA子が喜んでくれる、そんな日々でした。しかしそんなある日私は自分自身の異変を感じました。毎日A子のためにするBくんの観察がいつしか自分のために観察するようになっていました。そうです。私はBくんのことが気になり始めていたのです。いやいや、BくんはA子の好きな子だ、必死にそう思いました。しかし同じクラスになってBくんの姿や行動、言動を見たり聞いたり、Bくんのことを知れば知るほど、気付けばBくんのことばかり考えている自分がいました。正直にA子に話すと、初めはショックを受けている様子でした。ごめんねと思いながらもお互い良きライバルとして戦うことに決めました。それから私は中学3年生の1年間、Bくんにゾッコンでした。私は密かに彼を想っていて、クラスの仲の良い友人C子に話すくらいでした。しかしそんなある日のこといつものようにC子と恋バナをしていた時でした。その話を近くの席でふせて寝ていた男子が聞き耳を立てて聞いていました。(あとから知りました)それから男子の中で風のように噂が広まってしまっていたことにまだ私は気づいていませんでした。ある日の席替えでBくんの隣の席になりますようにと願っていた矢先になんと40分の1の確率で隣の席になりました。たまたまその日Bくんはお休みでした。しかしそれをいいことに私の元へ男子が集まってきて「Bくんいないと寂しい??」などとちょっかいをかけてきました。この時に私は全てを悟りました。あ、クラスメイトにバレてるんだ、てことは、本人にもバレているかもな、と。その日を境に彼とはちょくちょく目が合うようになったり、彼の動きがよそよそしくなったりと、不自然な関係になりました。私は相変わらずBくんのことが大好きでしたが、胸の内に想いを秘める、そんな毎日でした。体育祭ではリレーでぶっちぎりの1位、美術の授業では抜群の画力、いつも男子に囲まれてる人気者で、日に日に気持ちは増すばかりでした。Bくんは確実に私のことを意識している。片想いをするとなぜだか根拠もなく自過剰になってしまう。目が合う理由を毎晩考え、淡い期待をしてしまう。そんなある日、クラスで割と上の方にいるキャピキャピ系の女子がBくんのことを好きそうだと噂を聞きました。私は焦りました。確かにその女子を観察していると常にBくんのことを見ている。やばい、Bくんが振り向くんじゃないか、ライバル出現だ、どうしようと、毎日不安でした。なぜか私はその女子に目をつけられていて毎日しんどい日々でしたが、誰よりもBくんを好きなのは私だ!と約1年ほど片想いをしてきてだんだんと私は「中学卒業したらもう会えない、寂しい」と思うようになり、気持ちを伝えるか悩んでいました。私は自分に自信が全くなかったため、毎晩悩んでは決心してまた躊躇してまた決心して、そんな葛藤を繰り返していました。決心して1ヶ月ほど経った11月の終わり頃に私は、Bくんと私の共通の友人Kくんにラブレターを渡してもらいました。それから何日か経ち、Kくんを通じてBくんからの返事の手紙が返ってきました。「ごめん、付き合うことはできないです、理由は、タイプとかじゃなくて関わりやお互い喋ったことが少なく、付き合うことができなさそうな感じがするからかな。本当にごめんね。でもこんなやつを好きになってくれてありがとう!嬉しかったよ!それと、こんなことで元気なくしたりしないでよ!?」結果は残念でしたが、その手紙には何度も書き直した形跡がありました。Bくんの純粋さ、優しさに改めて惚れてよかったと思いました。それから卒業式の日がやってきて、最後だからどうしてもBくんと写真を撮りたかった私はその日1日の中でツーショットを撮れるタイミングを伺っていました。しかしBくんはみんなの人気者、他の女の子とツーショットを撮ったりしていて、私が声をかけるタイミングはありませんでした。するとそんなこんなでBくんが友人らと門を出て帰ろうとしている姿を見ました。それを見た私は友人と、Bくんたちの後ろをつけました。緊張してなかなか勇気が出ず、ただのストーカーのようになってしまい、どうしようどうしようと焦っていました。とうとう分かれ道がやってきてしまったところで、私は勇気を出して声をかけました。「Bくん!」その声に振り返ったBくんは照れ隠ししながら近づいてきてくれました。私とBくんとのきごちない距離感に息もできず不器用な写真になってしまいましたが、今でもその写真は私の宝物です。Bくんとは付き合うことはありませんでしたが、これから先Bくん以上の人に出会える気がしません。最初で最後の本気の恋をさせてくれたBくんとまたいつか話せることを願っています。

written by さや

エピソード投稿者

さや

女性 投稿エピ 1

高校3年生