運命のイタズラチックなすれちがい

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小学生の頃。受験が盛んな自分の地元の受験組は、恋愛にうつつを抜かす余裕なんてありませんでした。
受験が終わって皆がひと段落した頃、3年間同じクラスだった子が、僕の進学先を執拗に聞いてきました。いじわるをしてるつもりでは無かったのですが、受験に失敗した僕は彼女以外の友だちにも伝えようとしなかったので、言わないでいました。
そんなある日、男友達が僕の家に遊びに来たときに、進学先が仏間に飾ってあったのを見てしまい、すぐに仲のいい友だちに広まりました。
数日後、彼女から呼び出され教室の端に行くと、小声で「進学先○○でしょ?ウチと同じ所にしない?高校からでもいいから、一緒にしようよ」と言われましたが、アホな僕は「そっちこそ、こっちにおいでよ!」なんて返しました。
それから卒業までの1ヶ月弱、彼女のことが気になって気になって、頭から離れませんでしたが、告白とかメアド交換という考えには至らず、そのまま卒業してしまいました。
3年後、LINEが普及を始めた頃、同小の友人に誘われ、小学校同期のグループに入りました。
直ぐでは無かったのですが、しばらくして彼女と連絡を取り合うようになりました。(他校と言えど同じ吹奏楽部ということが大きかったようですが。)
ですが、やはり会ったりはしませんでした。
更に2年後、仏教系の学校の吹奏楽部が合同で行う演奏会会場で、彼女の進学した高校(中高一貫)を見つけました。が、向こうは部長なのかパートリーダーなのか分かりませんが、険しめの表情で大勢の先陣を切って歩いていたので、声をかけることもできませんでした。これ以降彼女とは会うことはおろか、インスタの相互フォローくらいで連絡も取っていません。

いま、自分には好きな人が別にいますし、彼女も彼女で頑張っているようなので、この運命のイタズラチックやすれちがいは、初恋の綺麗な思い出として、大切にしたいと思っています。

written by ZERO⊿

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ZERO⊿

男性 投稿エピ 4