野球部の優しい彼

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うちの学校は私が2年生の時、「陸上部」はまだ「陸上同好会」という名前で、朝練はどの部活所属の子でも来ていいというものでした。それに私は毎朝参加していて、私の好きな彼は野球部所属で、野球部が練習の無い日だけ、朝の陸上(通称朝陸)に来ていました。朝陸はいつも彼や友達と楽しく陸上をしていました。ですが、ある日、事件が起こりました。それはタイヤ押しをしていた時でした。私は気分が悪くなりました。朝陸に行き始めてからまだ日にちが浅かったので、「きっとまだ朝陸に慣れてないだけだろう」と思い、そのまま陸上を続けていました。すると私の好きな彼が、「おい、顔色悪いぞ」と言ってきました。彼にそう言われてから、「辛い」と思い込んでしまったのか、急に私は呼吸が荒くなりました。それを彼が気付いてくれたのか、先生に「あいつの体調が悪い」と言ってくれたみたいで、それから私は皆が陸上を続けている間休ませてもらい、何とか体調を治すことが出来ました。治ってから、彼が私の所に来たので、いつものように「あ、朝陸で体調崩した人じゃんー」とか言ったりしてからかってくるだろうなと思っていましたが、彼は短く「あんま無理ばっかするなよ」と言って去っていきました。私の体調の変化にいち早く気付いてくれ、そんな言葉をかけてくれた彼に、とても心を撃ち抜かれました。

written by 蜜柑

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蜜柑

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