憧れの先輩

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私が高校1年生の時、学校に大掛かりな工事があって1年間体育館が使えず、私たちバスケ部は合同練習をさせてもらうため、色々な高校を回っていました。毎週月曜日と金曜日はM高校での合同練習。前半は男子バスケ部、後半に女子バスケ部の練習が割り振られていたので、体育館二階の観覧スペースで着替えたりストレッチをしながら男バスの練習を見ていました。
何気なく見ていると、変な走り方の人が1人。最初は走り方が気になってただなんとなく目についただけでしたが、だんだんと練習に一生懸命な姿がかっこいいな〜と思うようになり、憧れの存在になり、週二回M高校に行くのが楽しみになっていました。
その頃流行っていた、前略プロフィールやmixiのブログで、同じ女バスのT先輩のブログを見ていたら、M高校のあの彼からのコメントがありました。「T先輩とあの人仲良いんだ、、」やりとりを見る限りカップルではなかったものの、ショックを受け、彼を好きになっていることに気づきました。
好きなんだということに気づいてから、気持ちを抑えられなくなって、バスケ部の1年生仲間に打ち明けました。そしてそれはT先輩の耳にも届いてしまいました。
それから半年が経ち、私は2年生に。体育館も工事が終わり、もうM高校に練習に行くこともなくなりました。もう会えないんだろうな、、と考えると、あの時話しかけてみればよかった、週に2回も会えてたのに、と後悔ばかりでした。
夏になり、私の高校の文化祭がありました。先輩達のお店を回っていると、T先輩のクラスのお店に彼の姿が、、。声をかけようかな、でも私のことなんて覚えてないよね、とドキドキしながら影から見ていたら、T先輩が私の手を引いて、彼の前へ連れて行ってくれたのです。「ほら!連絡先、聞きなよ!」こそっと耳元で背中を押してくれたT先輩。
私「あの、アドレス交換してもらえませんか?」
彼「ああ、、、いいよ」(素っ気ない感じ)
その日から私たちは連絡を取り合うようになり、テスト期間に勉強を教えてもらう、という口実で会う約束をしました。嬉しくて、毎日話をしたかったけど、彼は今年3年生。受験生で、部活も最後の年。会う約束をしてからテスト期間までメールをするのを我慢しました。
そして、やっとテスト期間。こんなにテスト期間が待ち遠しかったのは後にも先にもこの時だけです。久しぶりに連絡をして、会う日を決めました。部活以外で、しかも2人で会えることに舞い上がって、その日の放課後ウキウキしていると、クラスメイトが、短く切った制服のスカートを差し出して「こっち履いていきな!ほら早く!着替えて!」と私のロング丈のスカートと交換してくれました。
カフェで2人で勉強。真面目な彼は勉強のことばかり、丁寧に教えてくれました。私はもっとあなたのことを知りたいのに。本当はもう理解している問題を、わからないフリをして聞いて、彼の長い指や、あまり上手じゃない字、どう教えようか考えるときの耳を触る癖、そんな所ばかり見ていました。
テストを終え、お礼のメールをした時に、彼から誘われて、お疲れ様会としてカラオケに行くことになりました。お互いカラオケが好きなことはしっていたのですが、どんな歌を歌うのか楽しみでした。彼はミスチルの曲を甘い声で、本当に上手に歌っていて、また好きな気持ちが膨らみました。私はaikoが好きで、カブトムシや花火など彼が知ってそうなメジャーな曲を選んで歌いました。歌にはちょっと自信があったので、いいところ見せられたかな?と思いながらすごく楽しく過ごしました。
その日の後からまた連絡を取らない我慢の日が続きました。
ある日、彼のブログのページを開くと、久しぶりに更新されていました。「わ!更新されてる♡」そこには、たわいもない日常の事が書かれてて、想像してクスッと笑いながら読み進めていると、最後の方に「あぁ、あの子の歌うカブトムシが聞きたいな」と言う文字が。
「え!え?えー?!、、私かな?いやいやいや。まさか!ね!、、違う子?それも嫌だけど!」
どうしても気になって、「あれ?私のことかな?笑」とふざけた感じでコメントを残しました。
次の日、コメントしたブログを開くと、彼からの返信が。「私ちゃんしかカブトムシ歌ってくれた子いないよ」と。とても嬉しくて、ジャンプしてはしゃいで、すごく舞い上がったことを今でも覚えています。
それからはメールを頻繁にやりとりしたり、また勉強を教えてもらいたいとお願いしてカフェに行ったり、一緒に過ごす時間も増えていきました。
そして冬。彼は夢を叶えるために地元を離れて東京の大学を受験していました。合格は本当に嬉しかったけど、このまま何もないまま、離れ離れになって、だんだん疎遠になっていくのかと思うと、寂しくて仕方ありませんでした。
3月のすごく寒い日。彼からメールがありました。「今日、帰りに会える?あの橋のところで待ってる。」部活が終わってからメールを見て、急いで向かうと、寒そうな彼の姿が。
私「ごめんなさい!部活終わってからメールみて、遅くなっちゃって!寒かったよね?」
彼「大丈夫!うそ!寒いけど!笑 少し歩こう。」
近くの公園まで行く道中、自転車を押しながら無言で歩く彼の背中をみて、最後なのかもしれないとよぎり、泣きそうになっていました。
公園に着くと、彼は話始めました。
彼「大学、東京に決めた。ここから離れるし、勉強と、生活のためにバイトもしながらだから、そんなに頻繁に帰ってこられない。、、好きだよ。でも、最初から遠距離は俺は耐えられないと思うんだ。」
私「私が会いにいきます!だから、やってもみないで、無理って決めないで欲しいです!私も、好きです」
泣きながらそう答えると、彼は優しく手を握ってくれました。それから、これからのことを何度も話し合って、彼の無理がない程度に帰ってくること、私は部活と受験に備えて東京まで彼に会いに行くことはダメ、と、決まり、私たちは付き合うことになりました。
彼は無理のない程度、と言いながら、毎月帰ってきて私が寂しくないようにしてくれました。
色々あって別れてしまったけど、今でも大切な思い出です。

written by haru

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haru

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