ずるい人

コンテンツ名とURLをコピーする

高校生の頃、私には好きな人がいました。それは私の幼なじみの彼氏。彼と初めて出会ったのは幼なじみと付き合うようになった頃。学年でもイケメンな彼は可愛い私の幼なじみとお似合いで、直ぐに2人は"学年1のカップル"になりました。
私はと言うと、初めはかっこいいけど少しだけチャラい彼はどちらかと苦手なタイプでした。
付き合いたての2人は時には喧嘩をして、幼なじみからよく相談され、私が2人の仲を取り持つことも多くありました。そんなことを繰り返していると次第に彼とも話すようになったんです。
私が部活で試合に勝てなくて上手くいかなくて(当時はバスケ部のエースでした)泣いていた時、『せなが毎日頑張ってるの、俺はちゃんと知ってるよ』と励ましてくれたり、お互いの練習が遅い時間に終わってたまたま駅で電車を待ってる時に自分のジャケットを私に掛けてくれたり。
彼にとって私は"自分の彼女の親友"の立ち位置なのは分かっていたし、私も大切な幼なじみの彼氏だということは分かっていましたが、それでもいつの間にか彼のことを好きになってしまい、その感情に気がついてしまいました。
それから高校卒業の日。私は地元からかなり離れた専門学校へ進学が決まりました。
高校ではずっと彼のことが好きなままで。そんな自分に区切りをつけるために私は地元を離れる前の日に彼に電話で
『急にごめん。今から貴方に告白するから振って欲しい。私が、前に進むために』そう言った時流石の彼も驚いた様子でしたが、「分かった」と言ってくれました
『…ずっと好きでした』
「ありがとう。俺を好きになってくれて。…けどごめん。俺はそれには応えられない」
『うん。知ってる。大切にしてね、私の大事な幼なじみ』
「俺は、せなのことは1番の親友だと思ってるから。だから、また何かあった時はいつでも話して欲しいし、今まで通りの関係でいたい」
最後の最後まで紳士な彼。
やっとの思いで告白できたことに不思議とスッキリしました。

written by せな

エピソード投稿者

せな

投稿エピ 2