ホワイトデー

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学生の頃、私にはずっと好きな彼がいました。しかし、彼はクールで女子とはあまり話さず、グイグイ来られるのも苦手らしく、クラスも違い接点のない私にはどうすることもできませんでした。
これまで積極的に話そうとしたりもしていましたが成果は出ず…バレンタインを最後に、この気持ちは諦めようと思い、勇気を出して彼にチョコを渡しました。ホワイトデーのお返しも期待はしていませんでした。
その日の朝、教室で勉強していると外が急に騒がしくなり、なんだろうと思って見てみると、なにやら袋を持った彼の姿がありました。教室に入ってくるなり、お返しです、ありがとう。という言葉。まさか、恥ずかしがり屋でクールな彼がわざわざ教室に来て手渡しなんて目立つようなことをするとは考えられませんでした。顔が真っ赤になったのが自分でもわかるくらい気持ちが昂りました。友達にあとから聞いた話ですが、彼は朝早くから教室にきて私が来るのを待っていてくれたそうです。あのときの私は少しばかりフィルターがかかっていたのかもしれませんが、胸がときめいた経験も、ドキドキさせてくれた彼も、今でも色褪せることのない、良い思い出です。

written by りん

エピソード投稿者

りん

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