私と年下くん。〜付き合うまでの道のり〜

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私の彼は2歳年下でとても美形、頭も良くて運動もできてみんなに優しいまるでアイドルのような人です。今思えば、本当に彼はモテていました。
これはそんな彼と付き合うことになるまでの話し。

私が大学3年生のとき。
ダンス部で部長を務めていた私は部活の存続させようと部活に力を入れていました。
このときダンス部には女子部員しかいなかったのですが、新1年生はほとんど男の子でした。
1年生が体験に来た時に、部活の存続がかかっていたので必死に部活の良さをアピールしていましたが、その中の1人がとても無表情なまま私の話を聞いているのです。
とても顔が整っていて、美形なのに無表情で、なんで部活の見学に来たんだろう?というくらい興味がなさそうでした。
それでも存続させたかった私はゴリ押しして、彼を無理やり部活に誘い、彼は部活に入ってくれました。

その時のダンス部は大学の学園祭で踊ることを目標に活動していたので部活というよりはサークルのような感じでした。
みんなで和気あいあいと活動している中、1番追い込み練習をする夏になりました。
夏になって、私は語学留学をしたのですが、その期間他の部員とはあまり連絡を取らない私は、彼とはちょこちょこ連絡を取っていました。
今思えばその時から惹かれていたのかもしれません。
彼も車の免許合宿に言っていたので返信がはやく、くだらない会話をしていました。
「先輩のトプ画、なんで魚何ですか?笑」
「これはこっちで会った友達との罰ゲームで笑気にしないで!笑」
といった内容や
「そっちは楽しいですか?」
「ちょっと空気が臭いけど…楽しいよ!」

年下の子とのLINEなんて経験があまりなかったので、なんだか少し浮かれていました。
そして、帰国したタイミングで彼も合宿から帰ってきて同じタイミングで夏の練習に参加していました。
しかし、彼はアルバイトも始めて、練習にはなかなか来ないし、練習に来ても恥ずかしがってなかなか踊りませんでした。
私は部長として、部活に来ない彼を注意しないわけにはいきませんでした。
ある日彼と一対一で話をして、彼の言い分を聞きました。それでもダメなんだよと注意をしました。そして、お互いに納得し合えたのです。
これまでの練習に追いついてない分は、個別に特訓することにしました。

初心者の集まりだったので、練習してもなかなか覚えられず、あっという間に本番の前々日になってしまいました。
彼は大学から家が遠くその時間も練習したいと言っていたのを聞き、私の家に泊まる?と提案しました。
そうすれば練習もできるよと。
彼はあっさり了承しました。
今の子たちってこんなもんなの?!と驚きましたが、この頃から気になっていた私にとっては嬉しい出来事です。
でも、さすがに2人きりはきついのでもう1人誘って夜まで練習をして泊まり会をしました。この時は何もありませんでした。

そして、迎えた本番。
練習の成果は発揮できず、かなり出来は悪かったです。
それでも4年生を送り出さなくてはいけない私は最後まで全力で踊りました。
無事に文化祭は終わり、4年生は引退していきました。
そして、部活は新体制となり、冬には部員のみんなで遊びに出かけたりすることが増えました。
大人数で遊ぶことも多かったですが、彼は私のことを、暇人カテゴリーにしていたので、空いた日があるたびに私を誘ってくれて遊びに行きました。
しかし、2人きりは気まずいのか他のメンバーも必ず呼ぶのです。
その行動にモヤモヤしながらも、嬉しい気持ちが勝っていた私は、彼に誘われるたびにひょこひょことついていきました。
そんなある日、彼と観にいきたい映画が被ったので観に行くことにしたのですが、他のメンバーを誘っても予定が入っていて、どう頑張っても2人きりになってしまいました。
彼は行くのを諦めようとしていましたが、私が絶対行きたい!とまたもゴリ押しして、2人で行くことに。
私の気持ち上手く隠せていなかったので、
この頃ダンス部員たちは、私の気持ちに気付いていました。それでも私が思いを伝えることはありませんでした。

映画を観る当日、特にそれらしいことは何もありませんでした。少し残念がりながらも、部長と部員でしかも2歳下の子だから何か起きるわけもないかと、もう彼への気持ちを諦めていました。
それからも2人で遊びに行くこともありましたが、特にそれらしいことは何も起きないまま。

それからさらに年を越して、3月末のコンテストに向けダンスの練習を始めました。
この頃、自分の振り付けに納得ができずダンスのことでとにかく落ち込むことが多くなりました。そんな時、彼は私の近くにいて、先輩のおかげでみんな頑張ってるから、もう少し頑張りましょうといつも支えてくれました。
彼は優しすぎるくらい優しかったです。
しかし、そんな彼もその頃何かに悩んでいたようで辛そうでした。が、私は彼と気分転換に遊びに行ったりすることしかできず、何もしてあげられませんでした。
そんなきつい状態もいつか終わりを迎え、本番、結果は残念でしたが、いろんな偶然が重なったのもあり、私たちのダンスは審査員の目に止まり、審査員の方がコーチをしてくれることになりました。
このコンテストで得たものが多く、とにかく嬉しかった私は、打ち上げでお酒を飲みすぎて大はしゃぎしてしまいました。その帰り道に、心配してくれた彼からメッセージが来ました。
「気をつけて帰ってくださいね。」
LINEはあの夏からほとんど途切れることなくしていましたが、心配されるのはやはり嬉しかったのを今でも覚えています。
そこからやり取りは進み突然
「明日空いてますか?」
またどうせ3人とかでしょーと思いながらも、空いてると返信をしました。
「どこか行きたいところはありますか?」
特に思いつかなかったので特にはと返信したところ
「花見行きませんか?」
ときました。
「いくいく!」
と陽気に返信しましたが、ここでいつもと違うことが起きるのです。
いつもなら「あいつ誘いましょう」と誰かしら部員の名前が出るのですが、誰の名前も彼は出しませんでした。
何かあるのだろうか?と不安になっていましたが、久しぶりの2人きりのお出かけに気分は良くなっていました。

いろんなところに花見をしに行って、夜も近づいてきました。
いつもならすぐ解散するのですが、彼の最寄り駅の近くでぶらぶらしていました。
そして、彼が深刻そうな顔をします。
部活に入部してきたときのような少し暗い印象でした。ベンチに座り、重い空気の中、彼が口を開きました。
「先輩は、僕のことが好きですか?」

ついに聞かれてしまった。

そう思いました。
自分の気持ちを諦めていた私にとって最悪なことでした。

もしかしたら振られて、このまんまもう二度と2人で出かけることができなくなるのではないか、そう思いましたが、ここで先輩ぶってしまった私は淡々と話してしまいました。
「後輩としても好きだけど、それ以外の感情もあるよ。」

沈黙が続きます。
私の心臓が早くなっていって、振られるならはやく振ってくれと何回も思いました。
そして、彼が再び話し始めます。

「僕は、好きという感情があまりわかりません。僕以外のみんなは先輩の気持ちを考えろと僕にいってきました。それから毎日考えて、部長だし、迷惑なんじゃないかって悩みました。それでも、先輩とこれからも一緒にいれたらいいなと僕は思いました。」
「…っ!!」

私は悩みました。
自分の立場がある以上、彼とは付き合えないし彼は私に興味がない、そう思っていたのでお付き合いしようという返事がすぐには出せませんでした。
沈黙が続き、ついに私は終電を逃してしまいました。どこかに泊まろうと考え、カラオケにでもいくかと決めたとき、彼は
「僕の家に泊まってください。」
と言いました。
仕方なく泊まらせてもらうことにしましたが、空気は重いまま、彼の家でも付き合うかどうかの話し合いは続きます。
そして、たくさん悩み、話し合って、部活と私生活をきっちり分けると約束し付き合うことになりました。
彼はずっと、このことで悩んでいたようで、コンテストが終わってから話をしようと思っていたみたいです。
私は舞い上がりました。
たくさん我慢した分、大好きな人が隣にいたいと言ってくれたことが何倍も嬉しく感じたのです。

こうして今も私は彼とお付き合いしています。
私は部活を引退し、先輩後輩ではなくなったので今では普通のカップルとして彼とお付き合いしています。


これは余談ですが、私が引退するとき、彼は少し涙ぐんでいて、部活ももっと一緒にやりたかったと言ってくれました。
そして、その打ち上げでは部員の前でこの馴れ初めの一部を話して付き合った理由も説明しました。みんなに最後に一言は?と聞かれ末永くよろしくお願いしますとまで答えてくれました。
立場を考えて付き合うことを決断してくれた彼にとても感謝しています。
私は今とても幸せです。




written by ka-pon

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ka-pon

秘密 投稿エピ 1