花火大会

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私は今、音楽専門学校に通ってサックスを吹いています。
私の先生は門下生が2人しかおらず、もう1人は私の2つ上の先輩でした。
その先輩は趣味でロードバイクで走っていて、大会で賞をとったりと、学科の中では有名でしたが、私が1年生の頃は「サックスをしに来ているのになんでそんなことしているんだろう」と、全く興味がありませんでした。

そんな印象を持ちつつ迎えた2年生の夏、私は先輩に花火大会に行かないかとメッセージアプリで誘われました。自分の中では「男の人と二人きり」
というのに最初は凄く抵抗していましたが、先輩が4年生ということもあり、ゆっくり話す機会もないからと、誘いを受けることにしました。
花火大会当日、なぜ私を誘ったのか聞いてみたところ「祖父と祖母と毎年見に来ていたんだけど、祖母が足を痛めてしまい、祖父がその介護で来れなくなってしまった。1人で見るのは寂しくて誘った」とのことでした。その一言で私は先輩の事が好きになってしまいました。一緒に花火を見ている時に「寒くない?」と毛布を一緒に足に掛けたり、食べ物を取る際に手が触れたりする度に胸が高鳴ったのを今でも覚えています。
その後、毎日メッセージアプリでやり取りをし、家でたこ焼きパーティーをしたり、お泊まりをしたりとして、遂に私から3回目のお泊まりの時に告白してしまいました。
しかし、相手からは「考えておく」の一言。でも、諦めきれなかった私は「嘘でいいので、大好きって言ってくれませんか?」とダメ元でお願いしたら、抱きしめながら「大好きだよ」と言ってくれました。それが、最後のお泊まりでした。

あれから2ヶ月。私はまだ先輩の事を諦めきれません。あの時の大好きが、もう一度聞きたいと思ってしまいます。来年の3月には卒業してしまう先輩。その時に、もう一度大好きと伝えたら、今度は本当の「大好き」を聞かせてくれますか?

written by ひかり

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ひかり

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