中学校で3年間同じクラスだった太一(たいち)という男子がいました。太一は先生によく迷惑をかけているようなお調子者でした。
私は中学校時代、かなり太っていました。そんな私は太一のイジりのターゲットになってしまい、「お前ドラ〇もんみたいだな」「横に広すぎw」などとからかわれていました。最初はうざくてうざくてたまらなかったです。
でも、中3になってから、太一が実はとても真面目ことに気づきはじめました。修学旅行の電車移動中にお年寄りに席を譲ったり、今まで授業中お喋りばかりしていたのに、積極的に受けるようになったりしていました。まだちょっとからかわれてはいましたが、嫌だなという気持ちはだんだんと薄れていきました。そして、私は中学校を卒業し、太一とも別の高校に行きました。それ以来太一とは1度も会っていませんでした。
高校生になってしばらくした頃、インスタを見て、太一に彼女ができたことを知りました。
特に嫉妬したりはしなかったのですが、その時、この言葉が頭に浮かびました。「お前痩せたら可愛くなるよな」太一が私によく言っていました。
私は今まで彼氏がいたことがありませんし、当時、その言葉を言われても、痩せようという気にはなりませんでした。
しかし、私はこれを機に痩せてやろうと決心しました。痩せるためにできることはなんでもしました。たくさん食べたいという気持ちもなんとか我慢しながら必死に努力しました。三日坊主になっていた運動も毎日やりました。
そして努力の末、痩せることができました。高校の友達もすごく驚いていたし、自分に自信がもてるようになりました。
そんな時に中学の時のクラスのみんなと集まる機会がありました。久しぶりにみんなに会ったらやっぱり「痩せたね!」と驚かれました(笑)。
その中でも1番驚いていたのは太一でした。
「ええ!!ほんとに〇〇(私の名字)さんなの!?」そのリアクションを待ってましたと心の中で密かに思っていました。すごく嬉しかったです。
驚いている太一に私は「太一があの時、痩せたら可愛くなるって言ってくれたおかげだよ。ありがとう。」と言いました。そうしたら太一は、「…お、おう。…ちょっと可愛いじゃん///」と照れながらそそくさと何処かに行ってしまいました。
その時の太一は今までにないぐらいかっこよく見えて、ちょっとキュンとしました。
太一はまだ彼女と付き合っていたので、私は太一と付き合ってはいませんが、高校で好きになった人に頑張ってアプローチして、今度その人と遊びに行くことになりました!
自分を変えるきっかけを作ってくれた太一には感謝しかありません。改めて今度お礼を言おうと思います。
written by しほ
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