三年分の御守り

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中学生の頃に付き合い始めた彼と高校進学を控えた時のエピソードです。
彼は野球の強豪校に進学、私は地元付近の高校に進学しました。
4月からは彼の部活が始まるからなかなか会えない、私なりに覚悟もしていました。でもそれと同じくらい彼を応援したいという気持ちでいっぱいでした。この先もお互い支え合いながら付き合っていきたいという気持ちで会えなくてもお互いが頑張れるようなものが欲しいなと思い手作りの御守りを作ることにしました。

3年生の夏、彼が甲子園に行けますように。その時も彼女でいられますように。彼が3年間野球を頑張れますように。と、たくさんの願いを込めて3つの御守りを作り、中に手紙を入れました。
1つ目は、1年生が終わった時に
2つ目は、2年生が終わった時に
3つ目は、最後の夏が終わった時に
御守りの中の手紙を出して読んでほしいと伝えました。

その後、それぞれの高校で新しいスタートを切りました。私が起床する頃にはもう、朝練をしている彼。日中はお互い授業を受け、私が帰宅する頃には、彼は放課後の部活が始まる。そして、部活を終えて電車に乗り彼が帰宅するのはもう、私が就寝する頃だった。

1日の中で会える時間はもちろん、電話する時間やLINEをする時間もほとんどなかった。

それでも、雨が降って中練だったから早く終わった!という日や奇跡的に部活がなかった!という日には私との時間を作ってくれていた。疲れているはずなのに少しの時間でも私と一緒いてくれる彼が変わらず好きでそんな少しの時間がとても幸せだった。

しかし、高校1年生。周りを見れば制服デートをするカップルや休日にデートするカップル。どうしても比べて辛くなる自分がいた。彼はそんな私の気持ちに少しずつ気づいていたのだと思う。
ある日の電話で言われた「辛いよな、ごめんね」毎日頑張っている彼にそんなことを言わせてしまった自分がとても嫌だった。

そして、少しずつお互いの気持ちはすれ違って別れなければいけない日がきてしまった。

別れてからも、彼はずっと私の大切な人でした。
何もかもが中途半端だった私を変えてくれた大切な人。

御守りの手紙を読んでくれたのか、わかりませんが今でもふと思い出してしまう青春の1ページです。

written by Ciao

エピソード投稿者

Ciao

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