遅いラブレターの返事

遅いラブレターの返事

私は中学入学した時、年の離れた兄に「中学の時に好きな人出来ても、告白したり、付き合ったりするなよ！」って、強く言われてました。(今思うと、兄はトラウマでもあったのだろうか？)
だけど、私は中学1年生の夏にかずきくん(仮名)のことを好きになりました。
かずきくんはクラスと部活が同じで、中学一年生の時からずっと好きでした。
私はソフトテニス部で、男子と女子一緒に練習してました。女子は部員が少なくて、男子は女子の倍くらいの人数いたけど、私は男子と話すことがあまり得意ではありませんでした。
私は特に明るい性格でもなかったので、男子の部員から話しかけられることはなかったけど、かずきくんは誰にでも話しかけたりするとても明るい男の子で、私にもよく声をかけてくれました。
かずきくんはテニス部の中で1番強くて、いつも応援しているうちにかずきくんのことを好きになりました。

中学2年生の秋に私は兄の忠告を無視して、かずきくんにラブレターを書きました。
私は自分で手紙を渡すのがとても恥ずかしくて、同じ部員の友達に手紙を渡してもらうように頼みました。
結局、その子は部活終わったあとに「かずきくん！りな(私の仮名)から手紙だって！」って言って、私の目の前でかずきくんに手紙を渡しました……。
恥ずかしくて、その間はずっと友達の背中に隠れて、その日はもう下校しました。

それから数日、数ヶ月……返事がなかったので、かずきくんのことを諦めることにしました。
中学3年生になると、かずきくんとは別のクラスになり、部活も引退して、全く話さなくなりました。
そんなある日、友達から「かずきくん、彼女出来たんだって！告白は彼女の方かららしいよ！」って噂を聞いて、(かずきくん、彼女できたんだー……。自分に返事してくれなかったのに……)って思って悲しくなりました。
そのまま、中学生活も終わり、お互い別々の高校に進学しました。

中学卒業してからは連絡先の交換もしていなかったので、かずきくんと会ったり、話したりすることはありませんでした。
告白したこともいつの間にか忘れてしまいました。

それから20歳になったある日、ソフトテニス部の友達から「ソフトテニス部でご飯食べに行こー！」ってLINEが来て、成人式が終わった数日後、男子と女子ほぼ全員でご飯を食べに行きました。
待ち合わせのお店に早くついたので、友達と先に席に座って待ってました。
誰が来るのかは知らされてなかったので、「誰が来るんだろーねー！」って友達と話しながら待ってました。
それから友達と話しながら待ってるとかずきくんが私たちが座ってる向かい側のテーブル席に座ろうとしてるのを見かけて、昔みたいに話したいけど、自分は地味だし、そんな覚えてないだろうなー……って思ってかずきくんに話しかけませんでした。

みんなが集まって、食事会がはじまり、自分は友達とずっと話をしてました。
途中、10分ほど席を離れてたら、友達が男子部員と会話をしてたので、会話に入るのも悪いし、しばらく1人でご飯を食べてました。
その時、手が滑って味噌汁を机の上にこぼしてしまいました。
自分は焦って何も出来ずにいると、かずきくんがすぐに机を拭きに来てくれて机を綺麗にしたあとからはかずきくんと今何してるの？とか、昔の話をして、食事会終わるまでずっとかずきくんと話をしてました。

食事会が終わって、みんなで二次会に行って、家に帰宅してスマホを見たら、友達から「かずきくんがりなの連絡先だけわからないから教えてって言ってたけど、教えてもいい？」って連絡が来て、(かずきくん、女子部員の連絡先全員と交換してるんだ……断ると感じ悪いかな……)って思って、交換しました。
そしたら、すぐにかずきくんから連絡が来て、今日の食事会の話をしました。寝ようかなって思った時、かずきくんから「今日はもう遅いから話さないけど、明日話したいとあるから、また連絡するね」ってきて、(なんだろう…たいしたことないだろうなぁ)って思いながらその日は寝ました。

次の日、かずきに話したいことについて聞くと、
「中学の時、りなからラブレター貰ったよね？間違ってたらごめん」って聞かれて、私は兄の忠告のせいか、すっかり忘れてて、「自分、かずきに手紙渡してないよ。」って返しました。
その数時間後に(そんなことあったような……)って思いだして、、友達に確認したら……「え……忘れたの？？りな、かずきくんに手紙渡したじゃん！」って言われて、すぐにかずきくんに「ごめん！そのラブレター私です！」って送ったら、「そうだよね！りなだよね！」ってすぐに返事が来ました。
そのあと、かずきくんから「あの時りなは頑張って手紙書いて渡してくれたのに、返事をしなくて本当に悪かった。本当はちゃんと返事する予定だった。…………」みたいにその時のことを話してくれました。

かずきくんからのLINEでは
中学の時、部活終わったあと手紙をもらって、その手紙に名前が書いてなかったから誰からのかわからなくて返事出来なかった。
たぶん、りなからだろうなとは思ってたけど、確認もしなかった。
でも、りなからの手紙だってちゃんとわかってたらあの時付き合ってたと思う。
なのに手紙のことずっと聞けなくて、返事もしてないのに他の子と付き合ってしまって、ずっと謝りたかった。
その子とは高校に入って別れたけど、中学の時手紙もらった時から今までりなのこと気になってた。
今更遅いかもしれないけど、付き合って欲しい。

っていう内容でした。

付き合ってって言われても、数年間も連絡してなかったから本当なのかわからなかったので、
「ちょっとしばらく考えるね」って返したら
「いつでもいいよ。待ってる」って言われたので、しばらく考えることにしました。

それからはかずきくんと毎日連絡をしました。かずきくんは今は地元にいなくて、県外にいることとか、仕事のこととか、今のかずきくんのことを知っていきました。

かずきくんから告白されて4ヶ月、私はかずきくんに「かずきくんのことは嫌いじゃないし、まだかずきくんのこと好きなのかわからない。まだ悩むし、返事待ってもらうのも迷惑かなって思って。だから、友達としていて欲しい。」ってかずきくんに告白の返事をしました。
そしたら、「わかった。でも、その言い方だと、好きになるかもしれないってことだよね？また今度改めて返事聞くね」って言われました。

それから2ヶ月、かずきくんが地元に帰ってきて、会うことになりました。
かずきくんに告白されて半年経って、私はかずきくんのことを好きになってました。中学と同じで、いつも沢山話しをしてくれるところとか、ものごとに熱心にとりくむところに惹かれました。
でも、かずきくんと会っているあいだ、かずきくんは告白のこととか聞いてきませんでした。
だから私は思い切って、かずきくんに「告白の返事してない！」って言ったら、かずきくんが驚いた表情で「告白の返事くれるの？どっち？」って聞いてきたので、「うん。いいよ」って返事をしました。
かずきくんはとても嬉しそうに「半年間ずっと待ってた。中学の時からだから、6年？7年？だね！」って言ってきたので、自分は嬉しくて泣きながら「うん！」って言い返しました。

かずきくんとは今でも遠距離だけど仲良くしてます。

長くなってすみません！自分にとっては信じられないくらい今までで1番嬉しい事だったので……
文章もところどころ変になっててすみません！

written by しゃ行