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高校2年生の秋にたまたま一緒に帰る機会があり、その後に行われた体育祭で写真を撮ってからかっこいいなと思っていた彼と、3年生で同じクラスになりました。毎日眺めているだけで嬉しい気持ちになっていましたが、1回目の席替えで隣になりました。緊張のあまりちゃんと話せない日々が続きましたが、勉強を教えてもらうなど徐々に仲良くなりました。そして、初めて一緒に遊んだ日に花火大会に誘いました。しかし、断られました。その理由は彼には好きな人がいたからです。それも私といつも一緒にいるグループの1人でした。2人でお祭りに行くと聞いて悲しかったですが、その事実を受け止め、少し抱いていた恋心を諦めることにしました。
 その後、受験勉強に取り組んでいると、彼から一緒に帰ろうと誘われました。そこで彼は私に、「一緒に遊んだり曖昧な態度を取ってごめん」と言ってきました。その言葉で、告白はしていなくても振られた気持ちになりました。その帰り道、彼は私の家まで送ってくれました。家の外には私の両親がおり、彼氏と勘違いした2人は家に招き入れました。一緒にご飯を食べ、たわいもない会話をし彼は帰りました。私はもうこれで彼と関わるのは終わりだろうと思っていました。しかし、文化祭の買い出しの帰りなど、事あるごとに彼は私と帰ったり、ご飯に行こうと誘ってきました。
 友達としてだろうと、まだ心に残っていたモヤモヤを隠しながら過ごしていましたが、文化祭まであと1週間という日に一緒に帰っていると、彼がいきなり後ろからハグをしてきました。「好きかもしれない」
そう言われました。何が起きているのかわからなかったですが、嬉しい気持ちと悲しい気持ちが混ざって涙が止まりませんでした。誰にも彼に対する気持ちや遊んだりしていることを言っていなかった私は、彼が好きだった友達が気になりました。自分の気持ちを伝えたらその子はどうなってしまうのか、それが気になりました。その気持ちを彼に伝えると、「俺の責任だから俺が説明してくる」と言いました。日曜日の模試の帰りに2人で会って話したそうです。
私はもうその子ともその周りとも一緒にいることはできないと覚悟を決めて学校へ行きましたが、私は悪くないよと言ってくる友達もいて、なんとか1日を過ごしました。その子とは話せないと思っていましたが、帰りに下駄箱でたまたま遭遇しました。お互い涙を流しながら話し、最後にその子は「私は大丈夫だから幸せになって欲しい」と言ってくれました。その子の優しさや周りの友達にも救われ、なんとか文化祭を迎えることができました。
  文化祭2日目、一緒に帰ろうと言われ、帰り支度を済ませて彼を待っていたところ、忘れ物をしたから一緒に準備室に行こうと言われ、教室から離れた物理室に行きました。そこには私の部活の副顧問がいました。何かを察したのか、すぐにいなくなりました。その後、初めてうちに来た日にやった、ある映画で主人公達が行っていたトランプゲームをしました。そして彼がいきなり立ち上がり、声も手も震えながら、「こんな時間も空いちゃったしたくさん迷惑もかけたけど、俺はぺんぎんが好きです。付き合ってください」と正式に告白をしてくれました。

 たくさんの人を巻き込み、傷つけてしまった人もいるという最悪な形でスタートしてしまった私の恋ですが、とても優しい友人達のおかげで、それからの高校生活を楽しむことができました。

大学進学で県外に行ってしまった彼と県内の大学に通う私は遠距離恋愛をしていますが、みんなに支えてもらいながら続くことができています。

あの時席が隣になったこと、周りに恵まれていたことが私の運命を変えてくれました。

written by ぺんぎん

エピソード投稿者

ぺんぎん

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