借り物競争

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同じクラスの彼はしょっちゅう、女王様!と私を呼んでみたり、俺の事が好きなんすか、と私のことをからかいます。
そんなある日の体育祭、 私の学校では種目の中に借り物競争があります。ルールは少し変わっていて、女子が走る時は男子を借り逆もそれに然りゴールまでは手を繋がなければなりません。体育祭のなかで1番盛り上がります。
彼もその借り物競争に参加をしていました。私は次の競技のためにお代カードからは離れた招集場所で待機をしていたので借り物としては呼ばれない距離。
いよいよ彼が走者、 借り物の為にクラスの応援席に。
しかし様子が変で、他の人がゴールしても彼は何故か誰も借りずにクラスメイトと何かを話しています。すると、彼はゴールとは真逆の招集場所に猛ダッシュで駆け寄り私の事を探し始めたのです!
超恥ずかしがりな私は手を差し出すことが出来ませんでしたが、彼の「かれん、行くよ」の言葉と最下位になってしまったのにも関わらず私の走る速さに合わせて最後までリードをしてくれたその姿にキュンキュンしました。
後々、友人談によると応援席に居なかった私の居場所を彼はクラスメイトに尋ね、招集場所へと一目散に走っていったそう。他の女子でもゴールは出来たのにわざわざ真逆の場所まで迎えに来てくれた彼と、お題はショートカットの女子なのに髪の長さは腰の長さまである私を選び監督の先生に全然ちげえじゃねえか!と怒られた彼のいつもの
ムードメーカーらしさに高校最後の体育祭は本当に思い出に残りました。

written by karen

エピソード投稿者

karen

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