中学校のからの帰り道。
最近は雨続きでいい事ないな…なんて考えながら1人で傘に当たる雨を見ながら歩く。
良い事がないというのも、私は遠くに引っ越しが決まった。仲の良かった友達とも全く会えなくなるのだ。でも新しい所での生活を楽しみにしていた自分もいた。
"あの人に会うまでは"
車通りの少ない道、聞こえるのは雨の音だけ。下を向きながら歩いているとつまづいてしまい、持っていたファイルが地面に。「濡れちゃった…」
プリントが濡れてしまい呆然とする私。すると前から歩いてきた同じくらいの男の子が「早く拾わないともっと濡れちゃいますよ」と言いながらプリントを拾ってくれました。「はいっ。今度は気をつけ…って」『えぇー?』プリントを拾ってくれた男の子は小学校の時、仲の良かった男の子でした。久しぶりの再会で、つい長話してしまいこれ以上はメールでという事に。毎日のように彼と連絡を取り合い、楽しくなっていく一方で不安になっていく私。引っ越しの事を言えずにいました。
引っ越しの1ヶ月前の雨の日。私たちは前再会した場所でまた会いました。"今しかない" 私は彼に引っ越す事を直接告げました。彼は下を向いて、「離れてても応援してる」顔をあげ笑顔なのに涙目のまま「頑張れよ!」と言ってくれました。その当時何もわからなかった私は「そっちもね!また会おうね!」と言い、その日が私たちが会った最後の日です。
引っ越しの1週間前、彼の事を想うとやっぱり引っ越しが嫌になりました。しかし引っ越しはするしかなく。複雑な気持ちのまま引っ越して約2年が経ちました。
今でも雨の日には彼を思い出します。また会える事を願いながら。
written by tomoko
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