小さな恋と足りなかった勇気

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これはまだ、私が幼稚園生だった頃のお話です。(あっ幼稚園生だからって侮らないで下さいね!小さくても恋は恋です❣️)
私の幼稚園には、毎年夏になると年に一度の納涼会がありました。

その頃、私には幼いながらに好きな子がいて(マセガキだなと今では疎ましく思います)その子の隣をキープするのに必死でした。

納涼会では、女子は浴衣、男子は甚平を着てみんなで練習した盆踊りを親の前で踊ります。
その日も私はその子の隣をゲットし一緒に踊ろうと意気込んでたんです。
でも運悪く隣になれず、しかもうちわ(この日のために自分たちで作ったものですが、踊る時はうちわを置いてくるよう先生に言われてました)を両親のもとへ預けてくるのを忘れて、1人片手にうちわを持ちながらオドオドしてしまったんです。
そしたら、なんと、、、
私の好きだったA君が走って駆けつけてくれ、「うちわ貸して」と一言。
A君は私のうちわを私の帯に差し込んでくれました。
もうっキューーーーン!
今でもこの甘酸っぱい思い出は忘れられません。
その後、A君が駆けつけてくれたおかげで両手フリーでA君の隣でヨイヨイ踊ることができましたとさ。

ストーーーップ!!これで終わりではありません。

盆踊りのあの後、流石に幼稚園生には付き合うなどという考えはないため、ただの好きで終わり卒業後バラバラになってしまったのですが…

その9年後、気付けば私が高校生なって数日後のある日。
私は電車の窓側に立ちながら外を見ていました。
私の最寄りの次の駅に電車が停車した時、乗り込もうとしている人達の方にふと目がいきました。
あれ?なんか見たことある人がいるな〜と。
その人が乗り込んできた時、バッチリ目があったんです。
そう、彼はA君でした。
幼稚園生の頃は私の方が高かった背が、すっかり追い越されてて、カッコいい度もさらに上をいってて…
あの頃の、キューーーーンが蘇った瞬間でした。

でも、私の勇気が足りず、会話がうまれる訳でも挨拶を交わす訳でもなく終わってしまいました。

バッチリ目あったんだけどな…気づかなかったのかな…そうだよね?幼稚園生の頃なんか覚えてないよね…

もんもんとしてたその日の夜、母が「A君のお母さんからメールでA君があなたのこと見たっていってたよ。」と。
えーーーーー気づいてたんかーい!

これは運命だ!と思って、次の日こそは声をかけようと張り切っていたのですが、その次の日A君は電車にいなくて、、、
次の日もまた次の日も…と思ったら、、

いる!?

でもその頃には、私の勇気は消えてて…
彼が私に声をかけてくれないかな、、という淡い期待を抱きながら…

高校生活が終わってしまいました。
時々会う彼に勝手にドキドキするだけで終わってしまった3年間。
目が合うのに、それで終わってしまった3年間。


今、私は地元から遠く離れたところにいます。
彼とはもう一生会わないかもしれません…
もっと勇気を出して挨拶だけでもしていれば、何かが違っていたのかも。しれませんね…

でも、今の私にとっては小さな思い出です。
ありがとう

written by Rin

エピソード投稿者

Rin

秘密 投稿エピ 4

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