私の幼なじみ

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私には小学校一年生の頃から仲の良い男の子がいます。
元々私の二個下の弟と男の子の二個下の弟が仲良くなり、成り行きで私達も仲良くなって……という感じで時々遊ぶ仲でした。
男の子はすごく元気でよく笑っていました。純粋で幼い、歌声の綺麗な男の子でした。
私はといえば女子も男子も同等に仲良く、元気で勉強もそこそこ出来て、恋愛大好きな女の子でした。
昔は男の子のことも恋愛感情的に好き……だったっぽいです。今思えばその気持ちは恋愛感情というより友情の延長線みたいな感じだなあと。
(過去の発言を唐突に思い出しただけです。小学校一年生のときに「このクラスの男子なら〇〇君以外となら全員と付き合えるわ」とか言ってました。本気で。)
そんな話は置いといて、私たちは無事中学生になりました。
違うクラスになり、男の子は吹奏楽部、私は演劇部に入り、だんだんと疎遠になっていきました。
お互いに部活やクラスで色々あり、精神的に参っていました。
中学一年生の文化祭終わり、事件は起こりました。
偶然男の子の帰り道に遭遇した私は「文化祭お疲れ様」と声をかけにいきました。
が、キッと睨まれとっとと歩かれ、結局置いていかれました。(実際にどうだったかは曖昧です。あんまり思い出したくない思い出なので……とにかく冷たい反応だったことは覚えています。)
私は察しました。(あ、嫌われたんだ……何かしたっけなぁ)
それ以降私の男の子への接する気持ちは暗いものとなりました。
学校内で見かけても見なかったふりをするようになり、中学二年生の前の春休み前まで存在すら忘れる程度になりました。
春休み真っ只中に母親が吹奏楽部の定期演奏会のチケットをもらって来たので行くことになりました。
その帰り道、電車内で男の子のお父さんと弟に遭遇、あー、いいお父さんだしいい声してるなと思いつつ会話を交わしました。
電車を降りて二人と別れて、お母さんと一緒にコンビニに寄りました。
するとそこには、演奏会帰りの男の子と男の子のお母さんがいたのです。
私たちはびっくりしました。
しかも、男の子に話しかけられたのです。
(えっ、嘘でしょ!?)と、嫌われたと思っていた驚きすぎて会話の内容が聞き取れていませんでした。
とっさに「うん」とだけ頷いてしまいました。
後々なんて聞かれたのかと脳内再生していたら、「演奏どうだった?」とおそらく聞かれていたことが発覚、やばい頷くだけとかどんだけ冷たい奴なんだ!?ああ、ちゃんと聞いておけば良かった……と。(ここで私の難聴?も発覚します。病気的な難聴ではなく、人が多いと聞き取りずらい系のかるーい難聴ですが……)
そして私たちは中学二年生になりました。
なんと偶然なことに同じクラス、しかもクラスメイトは同じ小学校出身がたくさん。
久しぶり、みんな変わってないなあと感じる中、男の子の纏う雰囲気だけ違うことに気づきます。
なんと、あの幼い頃の笑顔は消え、声が低くなり、全体的に暗くなっていたのです。(後にこの暗く若干怖い雰囲気を纏う男の子を「狼さん」と呼ぶことになります)
いや、ほんと怖かった。
何故か同じ図書委員になり、接する回数が増えました。
誰かと話すことが元々好きだった私はなにかあれば男の子と話すようになりました。
多分一番話したのは男の子の遅刻理由尋問かな。
すごい本人が嫌がっても「どうして遅刻したの?」とゴリ押しで聞いていく私。渋々答えてくれる男の子。(後々男の子の話でこの行動が良かったことが発覚。あの頃の私いいことしたなあ)
文化祭をすぎた頃でしょうか、二年生の頃から付き合っていた先輩とだんだん別れたいなという気持ちを持っていた私は男の子とよく話すようになりました。
勉強の話とか、図書委員の話とか、本の話とか。
男の子と同じ苗字の面白い作家さんおすすめされたのは確かこの辺り。
あと、頭撫でられる回数が増えました。右斜め四十五度の優しい微笑みです。可愛い。
その頃の私はTwitterの漫画で幼なじみのカップルのお話をよく読んでいたので、別に特別な感情はないんだろうなあ、私もないしなあ、と思っていました。
それがひっくり返るのは正月明け。私が英語のワークの答えを無くしてしまったので男の子の家に借りに行くことに。
家がここか合っているのか若干心配になりながらピンポンを鳴らし、出てきた男の子の声と久しぶりに見る男の子の私服姿に少しだけ心惹かれました。(どんな服装だったかは覚えていませんがおそらく赤いパーカーに紺色のジーパンだと思います。可愛い。)
ワークの答え借りるよりそのまま家で丸つけた方が早いという理由で家に少しだけ長い時間いることに。
宿題終わらせるために部屋をあちこちする彼をみて、ふと思いました。
(あ、私この人のこと好きだ)
本当に唐突だったような、でも当然の成り行きだったような……そうなるべきだったような、気づくのが遅すぎなような。
そこから男の子の行動全てが可愛く見えてきました。
頭撫でてくる仕草とか、褒めてくる声とか、授業中に寝る姿とか、ボール投げる仕草とか……。
いつだったかに家で勉強を教えてもらったときには、肩に寄りかかられたりされました。
どういうつもりなのこれ、とはさすがに聞けないし、告白するという行為に少しだけトラウマがあるのでもうこの距離でもいいかー、と楽観的になっていた頃です。
男の子の家族と私の家族で焼肉を食べに行きました。二個下の弟たちの卒業パーティーです。
その帰り道に、男の子から言われました。
「君に伝えたいことがあるけど、もうちょっとだけ待って」
……。
頭が一瞬どこかへ飛んでいきました。
そのあとなんて返したんだっけな……また「うん」って言ったのかなあ。覚えてない。
そして私たちは中学三年生になりました。
違うクラスになり、私たちは疎遠に……とはならず、今度は図書館で会って話す仲に。
部活が違かったので、昼休みほんのちょっとの図書館での時間が唯一の接点に。
そこで時々どこかに行く約束をしたりしました。
大抵男の子の楽器関連でした。
男の子はオーボエというあまり一般的に知れ渡ってる楽器ではない楽器を吹いています。(現在進行形)
オーボエという楽器は男の子いわく「女性のアルトの声」……みたいな音が出る楽器です。結構綺麗です。私的にはオーボエとフルートのアンサンブルが好きです。低い音の方がオーボエ出やすいらしいですけど、(男の子のいわくね)私は高い音も好きです。
まあ、そのオーボエの口をつける部分のリードっていう部品を買いに行ったり、楽器のメンテナンスに行ったり……学校外で一緒にいることが多かっです。
ある日、たまには君の連れていきたいところに連れてって、と言われました。
そこで私はフラワーフェスタ的な展示会に連れていきました。
その時に写真を何枚か撮っていました。(後にこれが役に立ちます。)
その帰り道。
家まで送ると言った男の子と、学校の話をしていました。
確か、新しいクラスの話かな。会話が途切れることなく。家の前に来てもしばらく話しました。(多分)
なんの話の時だったか忘れたし、繋ぎも忘れました。(確か学校で結構いじられる……って話だっけな、私が「何関連でいじられてんの?え、君の浮ついた話とか聞いたことないんだけど」と結構質問攻めにしてた気が。)
意を決したようにみえた……かな。
「だから、俺は君のことが好きなんだ」
……。
プチパニックとようやく言ったかという気持ちに陥って、結構軽く答えた気がします。
それから私たちは付き合い始めました。
いろいろあって一年経ちました。(この『一年経った』ということがわかったのはあの時撮った写真です。どっちも告白した、されたの日付忘れていたので……)
今では結構なバカップルです。
その話はまた後に。

(カテゴリ胸きゅんってしてますけど……特にそんなシーンありませんね。あはは)

written by 春紅東ノ月兎

エピソード投稿者

春紅東ノ月兎

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