12年の思い出

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この手紙はあなたへ届きません。

小学校の委員会で初めて出逢った12年前から、私はあなたのことをカッコいいと思っていました。
私たちは歳が1つ離れていましたね。
それでも私には「敬語使わないで!タメ口の方がいいな!」と言ってくれたこと、嬉しくて、今でもはっきりと覚えています。

あなたが高校1年生になり、私が中学3年生。
私はあなたと同じ高校に行きたかった。
だけど志望校を1つ下げてしまった時。
あなたは私に悲しい顔で、「さみしい。」と話してくれました。
それはあなたが浪人して、私と同じ年にお互い頑張った大学受験でも同じでしたね。
また同じ学校に行けなかった。
同じ高校、大学に行けてたら、今こうやって想いを書き連ねてることもなかったのかな。

それでも、お互いが大学2年生の夏に再会して遊びに行って。
遠距離恋愛が苦手なのにあなたは、私と頑張ってみると決意してくれてお付き合いを始めました。

本当にお付き合いできて嬉しかったです。

それからたくさんの苦労があり、さみしい思いをしてきたけど、2年も私とお付き合いしてくれてありがとう。
「離れている分だけ、ふとした時に好きって感情が分からなくなる」私も分かるよ、その気持ち。

だけど、あなたが別れを切り出した理由はそれだけじゃなくて。
私と付き合っていた頃から、別に気になっている人がいたってことも知ってます。浮気するような人ではないと思ってたから、そのまま彼女への気持ちが消えることを待ってたんだけど…
結局その人のことも気になってて、私のことも好きだったんだね。そこはあなたのダメなところ。
だけどそれでも私を選んでお付き合いしてくれて、本当にありがとう。
伊達に12年も一緒に居たんだ!女の勘をなめんなよ!!

別れ話をされてあなたの家に1ヶ月半ぶりに、私物を取り合鍵を返しに行った日。
あなたは研究室の先輩に呼ばれて私より先に家を出なきゃいけなくて。
いつも通り「またね〜」と言うあなたに初めて、今までありがとうございましたと伝えました。

「俺は今までありがとうなんて言わないから、また会うから。」そう言ってハグしてくれたあなたに私は、大人の関係になってしまったから、もう友だちには戻れないかもしれないと伝えました。
それでもひたすら「またね、また会うからね」と言うあなた。別れようって言ったのはあなたなのに、ずるい人。だけどそんなところも好きだったよ。

あなたが家を出て1人になった私は、荷物をまとめていた時にあるものを見つけてしまいました。

それは私が2年間で送り続けた手紙、写真、そして置き手紙が大切に詰められた、付き合って1年の記念日で行った、思い出の水族館のお土産袋でした。

パンパンに膨れたその袋を見て、私は泣き崩れてしまいました。
こんなにたくさんの思い出があるのに、それを大切にとっておいてくれたのに。
それでもお別れは突然やってきて、まだまだ一緒にやりたかったこと行きたかった場所、たくさんあるのに…

後悔が絶えず、後悔に耐えきれそうもないです。
それでもこれで一区切り。私はあなたが本当に大好きで大好きで。あなたも私のことを真剣に見てくれてたと思います。

本当にありがとうございました。
大好きだ(った)よ。
もう過去形にしないとね。

written by みぎて

エピソード投稿者

みぎて

秘密 投稿エピ 2